『 チェーンソー講習会 その1 』

チェーンソーと刈払機の講習を受けることになりました。こうした器材は、自家用で使う分にはとりたてて認可は必要ないらしいのですが、そこにお金が発生する場合、きちんと安全教育を受けたことを証明する修了証が必要になるそうです。私も今後カメラの前で森林作業にチャレンジすることになったため、急遽、受講が決まりました。ともあれ、ボランティアとして関わっている里山管理作業でも必要な技術なので、私にとっては願ってもないチャンス。12月初旬、防寒用にしっかりカイロを忍ばせ、講習会場に向かいました。

チェーンソー講習会は、栃木県の宇都宮からバスで小一時間ほどのところにある、栃木県林業センターで開催されました。参加者は、電気工事屋さんや土木屋さん、里山ボランティアなど20名。年齢層は20代〜60代と幅広いのだけれど、女性は私ひとりです。2日間に渡るプログラムの初日は座学、2日目は森林での実習でした。 霜が降りる冷え込みでしたが、室内は暖房でぽかぽか。そんななか1日ずっと座りっぱなしで講義やビデオを視聴し続けるのは、……睡魔との戦いでした。が、例えば林業において基本的な「つる」という概念そのものを知らなかった私にとって、それが「伐倒方向を確実にし、倒れる速度を調整する」という大切な役割を担っていると知ったのは、それだけも新鮮な驚きでしたし、そのほか安全管理面でも技術面でも学ぶべきことがたくさんありました。


ですが、なんといっても印象的だったのは翌日です。午前中は、チェーンソーの手入れと目立ての実習をしました。手入れの仕上げにエンジンをかけることになり、はじめてスターターを引いたのですが、なんと、傍目にはあんなに軽そうに見えていたスターターが、私の力で引けないではありませんか!?そ、そんなバカなっ!?なんだかよくわからないのだけれど、ぶつ切れに激しい抵抗を感じて、引っかかりまくるのです。これじゃ作業どころではありません。大いに焦りましたが、周囲の方のアドバイスのお陰でどうにかコツをつかみ、数分の後になんとか無事エンジンをかけることができました。 続いて、直径15cmくらいの丸太を薄く切り、目立てをする前の切れ味を確かめました。過去にシイタケのホダ木を切った経験くらいはあったので、力まずに刃を当てればいいことは知っていたのですが、このとき私の使ったチェーンソーは、それだけではいっこうに刃が進んで行きません。じれったいので、だんだん自分の力を上から加えてしまったのですが、それでも切り落とすまでにかなりの時間を要しました。他の受講者の切れ味は千差万別でしたが、中には途中でチェーンソーが煙を上げて止まってしまった人も。 丸やすりでの目立てはなかなか難しく、一朝一夕にはとてもマスターできそうにありませんでした。それでも、先生にご指導頂きながら目立てした後の切れ味は劇的に変化していて、今度は私も余計な力を加えることなくチェーンソーの自重だけで同じ丸太を切り落とすことができました。


そして、午後はいよいよ杉林の間伐、伐倒です。木の命を頂くため、作業に先立ち、山の神様にご挨拶しました。こうした神事は里山の活動でも行っていて、常々とても大事なことだと感じています。ここで目を引いたのが、お供え物の内容でした。塩とお酒はよく見ますが、ここではお米の代わりに「かつお節」が準備されていました。「木っ端」にそっくりだったので一部受講者の間では勘違いするむきもあったのですが、「海のもの」として塩とかつお節をお供えすると説明を受け、興味深かったです。榊を奉り、二礼二拍手一礼でご神木になぞらえた木を拝礼した後、講師の先生がそれを鮮やかに切り倒しました。 そこから10人ずつの2班に別れて、森の中へ。さあ、いよいよ私たちの伐倒です。

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葛城奈海さんのホームページ  http://www.katsuragi-nami.com