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『 大分のおいしい話 』
いよいよ今年度の「森林の仕事ガイダンス」が始まりました。
会場で流されているビデオ「緑の研修生レポート」と「葛城奈海の林業体験」の撮影でお会いした方々について、今回は書きたいと思います。
最初のロケは、12月中旬の大分でした。2日目、「研修生レポート」撮影の合間に、研修生のみなさんと共に炊き出しのお昼をご馳走になりました。メニューは地元の山の幸を生かした鹿肉のバーベキューと猪鍋です。鹿も猪も「癖のある肉」という印象が強かったのですが、ひとくち含んだ瞬間、その先入観は砕け散りました。特に鹿肉のバーベキューは、じわっと口に広がる旨みと鼻にぬける芳香が絶品です。聞けば、佐伯広域森林組合の女性参事である山田さんがビール、おろしりんご、生姜、焼き肉のタレを混ぜた特製のタレに2晩漬け込んで準備してくださったとか。森林ボランティアのまとめ役としても活躍している山田さんはこうした炊き出しに慣れているそうですが、私たちに一番おいしい状態で食べてもらいたいと、撮影の進捗状況に気をもみながら、焼け具合を調整してくださったそうです。「本当は、もう少し早く来ると思ってたから、焼けすぎないように網を持ち上げたりして・……」と聞き、その心遣いにも打たれました。
「林業体験」に登場する3人の匠のうち、下刈りを教えてくださった高田さんと、間伐をご指導くださった佐藤さんには、宿泊先の夕食の席ではじめてお会いしました。地元食材をふんだんに使った料理を前に自ずと食べ物の話になり、高田さんが山芋について語り出しました。
「大分の名物にだご汁というのがあります。本当は小麦粉を練っただんごを入れるのですが、私らはすりおろした天然の山芋を鍋に垂らすんです。そうすると山芋がそのままだんご状の塊になる」
と聞いて、山芋をお湯に入れたら薄まるものだと思っていた私はびっくり!いかにも滋養強壮になりそうですし、想像するだけでも、ぷりぷり感がたまりません。かねてから天然の山芋を掘りたかった私としては、そんな山芋こそ掘ってみたいし、食べてみたくてたまらなくなりました。高田さんも私に食べさせられないのが、とても残念そうでした。
この他、大分名産のシイタケを使って地元主婦の高橋さんが考案し、きのこ料理コンクール全国大会で見事、最優秀賞と林野庁長官賞をW受賞した「雪ん子寿し」の甘酸っぱい食感と愛らしい見た目にも感動しました。
また、撮影初日にロケ弁としてさりげなく出されたパック寿司のおいしさにも唖然。その後、食べる魚食べる魚すべてが「体に喜びをもたらす味」で、「おいしい魚は北」だと信じ込んでいた私は、大いに反省しました。豊後水道おそるべし。
……と、今回はまるで食い道楽のような文章になってしまいましたが、おいしいものの陰にはいつも厚い人情がありました。出番が大分ロケの最後になった匠の佐藤さんは、雪の影響で道路事情の危ぶまれた撮影隊が慌しく撤収したにも関わらず、嫌な顔ひとつなさらなかったばかりか、私たちの車を見送る時に「涙が出そうになった」とおっしゃっていたそうです。また、こうした心に残る撮影をすべて段取ってくださった大分県森連の山本さんは、ロケに入る前からメールで歓迎の意を伝えてくださり、撮影の間も常にもてなしの心に溢れる方でした。その山本さんからは郷土への愛着の念が波動のように伝わってきました。
人情とおいしさの町、大分。だご汁も食べそびれたことだし、……うーん、これはまた、大分に行かなくちゃ!

皆さん、どうもありがとうございました!
私の林業体験レポートを「緑の研修生ネットワーク」内でストリーミング中です。ぜひ、ご覧ください。
葛城奈海さんのホームページ http://www.katsuragi-nami.com
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