『 玉切りとサプライズ 』

 大阪でのガイダンスを終えたその足で、大鳴門橋を渡って徳島へやってきました。今回で4本目となる「緑の研修生ニュース」取材ですが、大分・宮崎に続き、なんと徳島でも雪が降りました。これまで雪に見舞われなかったのは、一番北に位置する群馬だけです・・・。
 さて、今回の匠シリーズでは、この道40年という近村さんから玉切りを教えていただきました。玉切りは2度経験していましたが、今回私にはチャレンジしてみたいことがありました。それは、ガイドバー(チェーンソーのチェーンがかかっているバー)の峰側の刃を使った作業です。というのも、これまでキックバックを恐れるあまり、間伐、玉切りを問わず、こちら側の刃を一度も使ったことがなかったのです。

 今回は、匠の倒した樹齢30年ほどのヒノキの玉切りを行うことになりました。当初、斜面に沿って傾いた状態の木を切ろうとしたら、木の向きに対して垂直方向がうまくとらえられなかったため、まずは初心者向けに、木を水平な状態に置き直してもらいました。お陰で作業はしやすくなりましたが、両端が地面に着いて間が浮いている状態なので、ただ上から下へとチェーンソーを入れれば、切り込むに従って両側から下向きの圧がかかるため、最後にバーが挟まれてしまいます。そこで、これを防ぐためには、まず上から少し切り込みを入れて圧の逃げ場を作り、次に下から本格的に切り上げていくと、スムーズに切断することができます。が、ここでひとつ問題があります。上からの断面と、下からの断面を目分量でぴたりと一致させるのは至難の業。しかし、ひとつの面になるように一致しなければ、商品化するためには切断面を再度きれいに切り落とさなければなりません。これは、時間的にも経済的にもロスにつながります。そこで匠が教えてくださったのが、上下の切断面をスムーズに繋げるため、上から少し切り込みを入れた後、バーを引きつつも刃先だけごく浅く残したまま下へと切り進み、下まで行ったら今度は峰を使って本格的に切り上げてくるという方法でした。

 今回、この方法で3回切らせてもらったところ、1回ごとに自分が変わっていくのがわかっておもしろかったです。最初は、切り下げから切り上げに連続的に移行するのがこわくて、いったんバーを木から抜きました。が、これで峰側を使って切り上げを初体験し、少し感触がつかめたので、2回目はバーを抜かずに切り上げに移行。すると、浅く切れている割れ目から戻ってくる刃が見えたので、面がぶれずに切断できていることを確認でき、それが安心感につながりました。とはいえ、このときまでは視覚に頼ってタイミングを判断していましたが、3回目は、切り下げていったら、ある瞬間にふっとガイドバーが木に触れている感触が変化したのを感じ、あ、これが切り上げに移行するタイミングだと確信しました。が、実は、最下部の皮1枚が残っていたため、正確にはきちんと切断しきれていなかったのですが、とにかく自分としては、バーから伝わってくる感触で木の状態の変化を感じることができたことが、ささやかな自信になりました。
  私は日ごろから合気道や剣術を稽古しているのですが、そうした武道でも余計な力みが抜けてやわらかく接触していると、相手の重心や動きをきちんととらえてスムーズかつ素早く対応することができます。こうしたことと大いにつながるものが見えてきて、チェーンソーを扱うのがいっそう楽しくなってきました。ガイダンスでも、「チェーンソーを使い始めてから楽しくなった」と複数の研修生が話していましたが、なるほど、やればやるほど奥深さにはまっていく気持ちが私にも少しわかってきたかもしれません。ということは、私もこの先、ますますはまってしまうのかも・・・。


 ところで、この日、研修生や取材チームのみなさんら20数名で昼食をとっていたら、思いがけないことが起きました。

大阪ガイダンスに参加していた研修生OBの山田さん、森本さん、溝口さんが中心になって、なんと、私の誕生日を祝ってくれたのです!
ピンクのバラの花束とイチゴケーキが用意され、バースデーソングまで歌ってくださいました。

 

よくよく聞けば、昨夜大阪から帰ってくるときに、丸いホールケーキを求めてケーキ屋さんを4軒も回ってくださったのだとか!
お疲れのところ、そこまでしてくださったなんて感激です。
本当にどうもありがとうございました!

 

 

 

葛城奈海さんのホームページ  http://www.katsuragi-nami.com