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「鎮守の里」〜式年遷宮コンサート記者発表会 in 橿原神宮 2007.MAY
初夏の風が若葉を揺らす五月半ば、奈良の橿原神宮を訪れました。橿原には『MIDORI PRESS』の取材で半年ほど前に来たばかりでしたが、季節が変わり、山の木々も生き生きと輝いて見えます。

今回の仕事は、この夏、橿原神宮の境内で開催される『第62回式年遷宮奉賛コンサート』の記者発表会の司会でした。このコンサートでは、平成25年の伊勢神宮・式年遷宮に向けて、歌手の藤井フミヤさんが作詞作曲したイメージソング『鎮守の里』が唄われます。
記者発表会の司会をしているところです。
内拝殿での記者会見風景。右から二人目がフミヤさん。
この日のことをお伝えする前に、まずは式年遷宮について、簡単にご紹介しておきましょう。伊勢神宮では、1300年も前から(天武天皇の発意だそうです)20年に一度、社殿を新しく造り替えています。造り替えるといっても、東と西に同じ広さの敷地があり、まったく同じ形に再現して神様にお遷りいただくというもの。なぜこのようなことをするのか定説はありませんが、建築の技術を継承するためとも、常に新しい社殿で神社の荘厳さを保つためとも言われています。いずれにしても、このようにして伊勢神宮は20年ごとに生まれ変わりながら、遥か古(いにしえ)の時代と同じ姿を連綿と保ち続けているのです。
『鎮守の里』制作にあたって、藤井フミヤさんは伊勢に3日間滞在し、五十鈴川のほとりで河原に座り、ギターを弾きながら作曲したそうです。ゆったりとした時の流れを感じさせる曲で、初めて聞いたのに懐かしく、私などは聞いていると、日が暮れるまで外で遊びまわっていた子ども時代の光景が、草の香りと共に心に蘇ってきます。伊勢の自然と四季、そこで暮らす人々、八百万の神々がもたらす恵みを思い浮かべながら詞を綴り、誰もが唄えるわかりやすく美しい日本語にも拘ったそうで、春夏秋冬を唄った4番までのうち、私は特に冬の情景を歌ったフレーズに惹かれました。フミヤさんの感性と才能の豊かさに、脱帽です。皆さんも機会があったら、ぜひ聞いてみてください。
畝傍山と内拝殿を背景にしたフミヤさん。この場所がコンサート会場にもなる予定です。
記者発表でフミヤさんは、「昔から使われている正しく美しい日本語になっているかどうか専門家の方に確認してもらったところ、当初自分が書いた詩にあった『福』は『幸』に、『蜻蛉』の読みは『トンボ』から『アキツ』に直された」というエピソードも披露し、「まあ、95点くらいだったかな」と茶目っ気を見せました。
こうしたことからも分かるとおり、フミヤさんは自分の言葉で自分の体感したことを話してくださるので、唄はもちろん、会見もとても聞き応えがありました。地元の方がほとんどだった記者のみなさんも、奈良の印象、橿原神宮の印象、これまでの神社との付き合いといった質問にそれぞれ味のある答えが返ってきて、満足している様子でした。かくいう私も、この夏のコンサートを「境内で鳴いている虫の声も音楽の一部になるようなライブにしたい」と聞き、遠路を厭わず足を運びたくなりましたし・・・。
この日の記者発表も内拝殿という、屋根はあっても吹き抜けになっている場所で行われたので、さわやかな風が、青いご神紋の描かれた白布をそよそよと揺らしていました。その風も、木造のご社殿の背景にある若葉の畝傍山と広大な鎮守の森に囲まれているせいか、青い匂いがし、なんとも心地よかったです。
近鉄特急車内では懐かしの「柿の葉寿司」に舌鼓。木でできた箱にも、ちょっと感動しました。
余談ですが、前日には春日大社や東大寺周辺の奈良公園を散策しました。春日大社は七五三をした神社ですし、このあたりは毎夏スイミングスクールに通うために歩いていた場所でもあります。蝉の抜け殻を山ほど見つけたことなど懐かしく思い出しながら、慌しい都会の生活からしばし解放され、木もれ日の中で心安らぐ時を過ごしました。考えてみたら、ここは私にとっての「鎮守の里」なのでした。
懐かしの奈良公園。
春日大社の灯籠 コントラストが鮮やかでした。
 
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