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富士山緑化活動 PartU 2007. JUN
6月中旬、昨年に引き続き、富士山南麓にある「緑の募金の森」の下草刈り活動に参加しました。富士山緑の募金の森とは、台風の被害で荒れてしまった土地を豊かな生態系を持つ森林に復元するとともに、森林づくりの活動に総合的なフィールドを提供することを目的として、関東森林管理局東京分局と(社)国土緑化推進機構が設立した約34ヘクタールの森です。平成12年から5年間、富士山固有の広葉樹と檜を合わせて約7万本が植林され、現在はそうした苗木の成長を助ける下刈りなどが行われています。広葉樹のエリアと檜のエリアは市松模様状に配されているのですが、いずれの場所でも、自然に生えてきた土地本来の若木は大切に育てられています。下草刈りになってからのボランティア活動は、リコーリース(株)がリコーグループ内外を問わずに呼びかけて行うようになり、最初は数人から始まったそうですが、回を重ねるごとに参加者が増え、今回はなんと百数十名という大所帯が東京・横浜から集結しました。
大鎌で下草を刈る私
大切に苗木の手入れをする参加者
さて、前回は針葉樹エリアで作業を行った私ですが、今回は広葉樹エリアを担当することになりました。それに伴って下刈りの方法も、苗木以外は全部刈っていた方法から、苗木の周囲1メートルくらいだけを刈る「つぼ刈り」に変わりました。使うのは、同じ大鎌。腰を屈めずに作業できるのはいいのですが、細やかな作業にはあまり向いていないため、油断したら、苗もろともバッサリということになりかねません。当初、刈り方の見本を見せてくださった班長さんも、「今日は接着剤を持ってきていませんからね」と一言。大雑把な性格を自覚している私としては、要注意です。
ところが、実際作業が始まってみると、なかなか刈るべき場所が見つかりません。というのも、人の背丈以上に成長した苗は、すでに下草に負ける恐れがないため下刈りをする必要がありませんし、逆に、目印の細い竹は刺してあっても苗の姿がなくなってしまっている場所もあります。それよりなにより、今回は作業すべき面積に対して参加者の比率が高いため、刈るべき場所を探している時間の方が刈っている時間より長かったような気がしないでもありません。もっとも、こうした作業で人の数というのは、それだけ力に直結しますから、贅沢な悩みなのですが。
香りも味も良かったけど、棘は痛かったモミジイチゴ
作業時間も午前・午後それぞれ1時間ずつくらいだったので、正直なところ、体育会系の私としては肉体的に少々物足りない感もありましたが、その分、周囲の方から植物についていろいろ教えて頂けたことが心に残りました。前回の参加が9月だったので、花や実は今回初めて目にするものばかり。ちょっとオレンジ色がかったモミジイチゴや、地面に近いところにたくさんあった赤いモリイチゴなどは、それぞれに独特な芳香を持ち、思わずにんまりしてしまうほど、甘みも十分でした。
珍しかったのは、サンショウバラ。名前が示すとおり、葉っぱは山椒に似た細かなものなのですが、花を見てびっくり。ピンク色の薔薇にそっくりで、なにより葉から想像もつかないほど大きい(直径にして、10センチ近く)のです。これは、フォッサマグナ※にしか生えない固有種なのだとか。特に魅せられたのは、数センチの釣り鐘状の赤紫色の花が点々と下がっているツル植物。ホタルブクロやリンドウ、ツリガネニンジンなど鐘っぽい形の花が好きな私としては、捨て置けないルックスだったのですが、名前を尋ねたら、「ミヤマハンショウヅル」との答え。漢字で書けば「深山半鐘蔓」、つまり火事場で鳴らした半鐘に似ていることに由来すると知って、なおのこと気に入ってしまいました。

※本州中央部を南北に横断する断裂地帯。

フォッサマグナ地域固有種のサンショウバラ
お気に入りのミヤマハンショウヅル
参加者全員で記念写真。さて、ワタシはどこにいるでしょう?(笑)
晴れていれば、背景に富士山がどーんと写るはずだったのですが…。
 
この他、お昼休みには東京大学の渡邊定元教授による野外セミナーが開催され、太平洋側のブナ林は針葉樹がないと更新されないといったちょっと意外な話や、今回の作業場所に生えていたウダイカンバやキハダの葉を見せながら、それぞれの樹木にまつわる興味深いお話を聞かせていただきました。漢方の胃薬として有名なキハダは、乾燥させた黄色い樹皮なら、子どもの頃母から舐めさせられたことがあるので、その苦みばしった味を記憶していましたが、葉を目にしたのは私も初めてです。「こんな葉っぱだったんだ〜」と新鮮な気持ちで眺めていたら、先生から枝の切れ端をもらって口に含んだ子どもが「うへ〜っ」と期待通りのリアクション。これできっとあの子も、キハダという木を一生忘れないことでしょう。
そんなこんなで、あっという間に一日が過ぎてしまいました。曇り空に阻まれて、今回も富士山を仰ぐことはできませんでしたが、雨にも降られず、照りつけられることもなく、作業をするにはもってこいの空模様でした。帰りのバスの中では感想を言うためにマイクが回ったのですが、その中である参加者曰く、「今、窓から外を見ていて、あの草を刈りたくてたまりません」。それから数時間後、渋滞する高速道路で道端の斜面を見ながら私も同じ気持ちになりました。
 
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