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葛城奈海の木もれ日の部屋

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森林も人もいきいき下川 2007. AUG
葛城さん
朝早くから家族連れでごった返している羽田空港にお盆休みの間近さを実感しつつ、『MIDORI PRESS』とTBSラジオ『ちょっと森林のはなし』合同取材チームは、北海道の旭川へ飛び立ちました。最終目的地は、旭川から車で北へ約1時間半、名寄の東20キロほどのところにある下川町です。白樺の姿も涼しげな丘陵地帯を走る道すがら、意外だったのは田んぼが多いこと。後でわかったことですが、青い穂を揺らしていたのはすべてもち米で、伊勢名物「赤福」の原料になるのだそうです。畑にはアスパラガスや南瓜が多かったですが、そこここに今を盛りと白い花をつけている蕎麦畑があったのも、これまたちょっと驚きでした。
下川町森林組合では、北海道森林組合連合会の千葉さんに北海道の森林の概要についてインタビューした後、現場に出て若手森林管理員おふたりにお話を伺いました。昨年10月の低気圧の被害で唐松林がなぎ倒されてしまったという現場を見上げると、空際線に一筋の緑が残っている他は、すっかり禿山状態になってしまっています。倒れた木々は既にかなりきれいにまとめられていて、残すは玉切り・搬出のみという状態でした。この時期の北海道としては珍しく、前夜から雨が激しく降ったり止んだりだったということで、この日の作業はお休みだったのですが、ラジオのリスナーに現場の雰囲気を伝えるため、少しだけ機械を動かしてもらうことに。岩手からのIターンで7年目という小野さんにはグラップル、茨城出身の緑の研修生OBの板橋さんにはチェーンソーを動かしてもらい、続けてインタビューを行いました。おふたりともまだ独り身だそうですが、それぞれ現在の仕事に遣り甲斐を感じ、下川の地に根を下ろして森林を担っていこうとする心意気が伝わってきました。
禿山
禿山
低気圧の被害を受け、禿山になってしまった「2000年の森」。
キタキツネ
出迎えに来てくれた?キタキツネ。
アカトンボ
アカトンボもたくさん飛んでいました。
ラジオ番組収録風景
ラジオ番組収録風景です。
この日最後のインタビューは、五味温泉の「体験の森」というビオトープを歩きながら、町有林を担当している下川町建設林務課の三条さんにお話を伺いました。このビオトープ、都会の小学校にあるようなささやかなものを想像してはいけません。私たちの車が近づいていくと、まずは木の橋を渡ってキタキツネが歓迎してくれました。周囲は町有林に囲まれ、その内側は鬱蒼とした草むらになっており、北海道独特の巨大な蕗やらイタドリやらが生えています。その中に、池やせせらぎが作られているのですが、「ヒグマに注意してね」という声に送られて木道を歩いていくと、アブやトンボが我がもの顔で飛び回っています。アブは遠慮なく人にたかるし、トンボはきれいな水色をしているのですがサイズはオニヤンマなみ。それがガマの生えた池の上で、三匹もつれあうように激しく追いかけっこしていて、「癒される」を通り越し、「圧倒される」ようなパワーと自然のエネルギーを感じました。そんな中で三条さんからは、毎年50ヘクタールずつ60年周期で町有林の伐採・植え付けを行い、常に林業の仕事がある循環型経営になっていることや、毎秋行っている「町有林バスツアー」で親子に枝打ち体験をさせるお話などを伺い、森林と人とが共に活かしあえるような仕組みづくりの様子が伝わってきました。
夜は、森林組合の広場で組合のみなさん&取材陣が一堂に会してバーベキュー。組合の常務さんが育てたというナスを一口食べて、その甘さとやわらかさにたまげました。トウモロコシ、帆立、イカ、牛、羊など地元の食材は、どれも思わず笑みがこぼれる味でしたし、そうした味覚に加えて、みなさんの雰囲気がとてもよいのです。メンバー紹介のときなども「トウキビの皮を剥いてくれた○○さんです」というように職場における和気藹々とした空気がそのまま伝わってくるようでした。お陰で、ビールも進み、話も盛り上がったのですが、最後に手を伸ばしたシシトウに大当たりして、口から火を吹きそうになったのはご愛嬌でしょうか・・・。
バーベキュー
組合の広場でバーベキュー。
野菜
野菜は常務さんの畑で採れたもの。
下川町森林組合の皆さん
下川町森林組合の皆さんと。
一夜明け、下川町森林組合長の山下さんにお話を伺い、漠然と感じていた心地よさに合点がいきました。というのも、「私ら地元で育ってきた人間は、いろんなことが当たり前になってしまい、良くも悪くも見えなくなっていることが多いんですね。だから、外から来た人たちに、私自身への批判も含め、どんどん意見や提案を言ってもらうようにしています。いろいろ理由をつけてそうしたアイデアを潰してしまうのは簡単ですが、うちではまず実現させてみて、それから答えを出すようにしています」というのです。下川町には、もみの木(厳密に言うと、トドマツ)を使ったエッセンシャルオイルやルームフレグランス、もみの木香りのピロー(枕)などなど他ではあまり見かけない人気グッズがたくさんありますが、それらもIターンの若者たちの発案だとのこと。やる気のある若い人たちを伸びやかに育てる組合としての懐の深さが、下川の森林とその担い手たちを生き生きとさせている源なのでしょう。
下川町森林組合のユニークな商品
下川町森林組合のユニークな商品。
ラベンダーの花
北海道といえば、ラベンダーの花ですね。
そんなこんなで、わずか1泊2日ながら密度の濃い時間を過ごし、満ち足りた気持ちで下川を後にすることができました。お土産にと袋いっぱい頂いたミニトマト、ロケバスの中で回しながら食べましたが、これまた完熟で甘みたっぷり、北の大地のエネルギーが染み入ってきて細胞が瑞々しく生き返るような、とびっきりの味でした。下川町のみなさん、素敵な時間をありがとうございました!


下川町森林組合のホームページ
http://www.shimokawa.ne.jp/shinrin/
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