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緑の研修生新聞 青森県篇
「緑の研修生」ニューストップへ 研修生の声 青森県の森林と林業 森林の知識

自然の中で働きたかった。地元の森林を守っていきたい。「緑の研修生」たちが、いまの気持ちを語る。

疲れをとるため、土日は完全休養日です。
中畑 直哉さん 26歳(森林組合あおもり)

中畑直哉さん それまで建設会社の期間雇用などで働いていたが、定職に就こうとハローワークで仕事を探していたという中畑さん。そんなとき、緊急雇用として森林組合あおもりの紹介を受け、働くことに。「この6月から研修生になりましたが、まだまだ若葉マークの初心者で、分からないことばかりですね」と話す。何がいちばん難しいですか、と聞くと「技術的には、やっぱりチェーンソーです」との答え。「安全にはいちばん神経を使いますね、人にぶつけてはいけないし。急斜面の現場のときなど、落石しないように歩くのにも気を遣います」とも語る。仕事はきついですか、の問いには「初めは慣れていないこともあって、体力的にきつかったですね。それに、朝が早いから、たいへんでした。いまでも疲れて、土日は完全休養日です」と照れ笑い。しかし、今後のことを聞けば、「ゆくゆくは、フォワーダなどの機械操作もできるようになりたいですね」と、こころに期すものがあるようだ。


スズメバチに刺されました。
奈良 保さん 22歳(森林組合あおもり)

奈良保さん 高さ20メートルを超える「たちねぷた」で知られる五所川原。そこから毎日1時間かけて通勤している奈良さん。わが家は田んぼ、リンゴ畑もやっている兼業農家で、ご両親と同居だという。「忙しいときは手伝いますよ。リンゴの葉取りとか、実すぐりなんか」。葉取りとは、実の周りのじゃまな葉っぱを取ること。実すぐりとは、いい実を選んで間引くことだそう。仕事のことを聞くと、「今年の夏の暑さはさすがにこたえました」とのこと。しかも驚いたことに、スズメバチに刺されたという。どうしたのか尋ねると、「スポイトのような吸引器で毒をとって、休んでいてなんともなかったから仕事しました」と涼しい顔。もちろん、具合が悪くなったときは急いで病院へ行くそうだ。そして、「仕事はおもしろいですね。木を伐って倒すときは快感です」とにっこり。だが、「うまくいく方が少ないかな。間伐で掛かり木をしてしまったり、難しいです」とも話す。早く一人前になりたいといい、森林のプロをめざす覚悟のようだ。


仕事は続けていきたい。彼女も応援しているから。
堀内 紀享さん 23歳(森林組合あおもり)

堀内紀享さん 「奈良くんと同級生なんです。6月からいっしょに研修生になりました」そう語る堀内さんも五所川原育ち。同じように自宅は、田んぼやリンゴ畑をやっている兼業農家で、土日には家の手伝いをするという孝行息子だ。この仕事を始める前は造園の会社で働いていたが、木を育て、山を守っていくスケールの大きい林業に転身した。「体を動かす仕事が自分には合ってますね。造園よりこっちの方が体にはきついけど、たのしいです」と笑う。何かスポーツをやっていたの、と聞けば、「中学校まで野球、やってました」との答え。しかも、地元で行われる五所川原マラソンでは、4位に入賞したこともあるというスポーツマン。なるほど、体力に自信があるわけだ。そして、「この仕事は、これからも続けていきたいと思っています。彼女も応援してくれているので」と、のろけながら将来への想いを語ってくれた。


山をきれいにして、尾根の向こうに空が見えたときは感動でした。
阿部 純子さん 29歳(森林組合あおもり)

阿部純子さん ご主人も「緑の研修生」として同じ組合、同じ現場で働いている阿部さん。実は、4人の子どものお母さんだ。「小さいときから山が好きで、この仕事をしたかったんです」と話す。前職は、屋根の板金屋さんという彼女。「体を動かすのが好きで、体力的には自信ありました。でも、男の人に比べたら力がないから、最初にチェーンソー持った後は、手が震えてしまいましたね」とのこと。いまは慣れたので大丈夫だというが、木を伐り倒すのはたいへんだそうだ。「いまは技術を覚えるのに一生懸命で、まだまだひよこですよ」と笑う。この仕事をやってよかったことは?と尋ねれば、「何年も人が入っていない荒れた山に入って、草刈りして、間伐して、きれいになり、尾根の向こうに空が見えたときは感動でした」とうれしそう。「ゆくゆくは、二人ともプロとしていっしょに林業をやっていこう、と主人とも話しているんです」そう夢を語ってくれた。


仕事が終わってのビールがうまい。
藤森 陽介さん 23歳(青森県森林組合連合会)

藤森陽介さん 「高校のときも、大学のときも林業を勉強してきたから」と、この仕事に就いた動機を尋ねると、そう答えが返ってきた。「緑の雇用」のことは、お姉さんが記事を見つけて教えてくれたという。始めて半年あまり、イメージと違ったことは「危険なことがいっぱいあるなと思ったこと。ハチとか、チェーンソーでの仕事とか」だそう。それに「間伐での伐倒方向の決め方や、狙った通りにうまくいかないなど、難しいです」と、仕事のたいへんさを実感しているようだ。ちょっと心配になって、将来のことを聞くと「おじいちゃんになっても、ずっと林業に携わっていければいいなと思ってます」と頼もしい返事。また、「仕事はきついけど、休憩時間など、みんなと話すのは楽しいですね。土日も、いつも休みみたいだった学生のときと違って、濃い休みになってます」と充実しているようだ。そして、「仕事が終わってのビールがうまいです」といって笑った。


自分で伐採した木で、自分の家を建てたい。
江良 博文さん 48歳(青森県森林組合連合会)

江良博文さん 江良さんは、化学製品の営業マンから森林の仕事に転職。「実は、まだ勤めているときからハローワークに行っていて、「緑の研修生」のことを知ったので、すぐ応募しました」「子どもの頃から山が好きだったから、悩まず決めましたね」という。仕事も「体力的に自信があったからか、思ったよりスムースに入れました」とのこと。また、「自然の中でストレスも感じなくて、やっぱりいい世界ですね」「みんなで力を合わせて汗水流して、ひとつの仕事をやり遂げたときは、やりがいを感じます」と笑みがこぼれる。だが、技術は「まだまだこれから」だといい、「作業も失敗をおそれて腰が引けてしまうことがよくあるから、そういうことを考えずにできるようになりたいですね」と真剣な顔。できれば将来もずっと続けていきたいそうで、「自分で伐採した木で、自分の家を建てたいと思っています」と、夢を語ってくれた。


指導員・受け入れ側の声

チームプレーなので、人間関係をうまくやってほしい。
蝦名 峯明さん 46歳(森林組合あおもり 指導員)

蝦名峯明さん 林業歴23年の蝦名さんは、高性能林業機械のオペレーション資格も持つベテラン。現在、森林組合あおもりには24人の「緑の研修生」がいて、指導員3人、補助員3人で指導しているそうだ。「技術のレベルとか、仕事の内容を考えて、3班の編成になっていますが、現場によっては8人いっしょのときもあります」「みんなまだ素人なので、あまり難しいことをいっても分からないと思うし、やりながら覚えてもらうようにしています。難しい仕事は、手本を見せてからやってもらいますが」と話す。なにより実践して、からだで覚えてもらえるように配慮しているようだ。また、危険に対しては朝礼のたびに注意し、自分はもちろん、人にケガさせることのないようにいっているとのこと。「今年はハチが多く、何人か刺されて病院に行きましたけど、大事にならなくてよかったです」という。そして、「山の仕事はチームプレーなので、人と人の和、人間関係をうまくやってほしいですね」と、指導員ならではの言葉で結んだ。


ケガには気をつけるようにいい、自分も注意していきたい。
鳴海 龍幸さん 28歳(青森県森林組合連合会 指導員)

鳴海龍幸さん お父さんが林業機械の販売の仕事をしていて、青森の山の中に家を買った。そんなことから、林業に興味がわき、知り合いの紹介で青森県森林組合連合会に入ったという鳴海さん。「初めの3年くらいは総務でした。作業の方はまだ4、5年のキャリアです」とのこと。年齢的にも研修生に近い立場で、自らの経験を生かしながら指導しているようだ。ここには研修生が37人もいて、採用日に合わせて20人と17人の2チーム編成になっている。「チームの人数が多いから、指導員、補助員も4、5人見ることになりますね」という。「初めのうちは危なっかしい感じだったけど、やってるうちにおもしろさが分かってきたみたいで、指導しがいがあります」とうれしそうだ。指導員としては、やはりケガがいちばんの心配だといい、「幸い、これまではスリ傷程度。これからもケガには気をつけるようにいい、自分も注意していきたいです」と語る。


冬は雪になりますから、それまでに一通り作業をこなさないと。
黒滝 晴彦さん 46歳(青森県森林組合連合会 森林整備課長)

黒滝晴彦さん この道21年の黒滝さんは、研修生、指導員をまとめている統括者。研修生にどんな作業を割り振るか、技術をどう覚えてもらうか、指導員とともに苦慮している。「青森の場合、冬は雪になりますから、それまでに一通り作業をこなさなければなりません。おかげさまで、みんな飲み込みが早く、地ごしらえ、下刈り、間伐、枝打ちと、仕事はしっかりこなしています」「ただ、チェーンソーの技術などは、たくさん経験を積まなければ一人前になれませんけど」という。技術習得だけ見れば、冬の分だけ他県より条件的に不利なわけだ。しかし、「ウチの研修生はみんなやる気がありますから、教えがいがあります」また、「初めは大人数なので、うまくいくか心配でしたが、和気あいあいで、チームワークもいいです」と笑顔。そして、「緑の雇用」について、自分がいうべきではないかも知れませんが、と前置きして、「研修生になるには緊急雇用が必要なので、壁がありますね。特に高卒で林業課を出て働きたい人などに」「やりたい人は研修できて、就職できるシステムだといいんですけど」と話してくれた。


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