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「緑の研修生」ニュース 宮城県篇

「緑の研修生」の声

茨城の山林で林業に取り組む「緑の研修生」の声を聞いた。

今回は、茨城県の北西部に位置する常陸大宮市を訪れ、現地に集合した「緑の研修生」の声を取材した。
茨城県は、中央部から南西部にかけて常総平野が広がり、南東部は霞ケ浦を中心とする水郷地帯となっている。森林は北部を中心とする山岳林地帯と中央部から南西部にかけての平地林地帯に大別され、森林率は31%と全国平均を下回る。森林の約76%が民有林で、その約97%が私有林となっている。
小規模な山主が多く、森林整備の必要に迫られており、明日の森林の担い手となる「緑の研修生」には大きな期待が寄せられている。



やるからには腕を磨いて一番上に立ちたいです。
美和木材協同組合 清水 伸二さん (平成19年度 基本研修生)

清水 伸二さん 昨年、地元の高校の森林科学科を卒業したばかりの清水さん。今の職場は、高校時代の先生が探してくれたそうだ。
「家は農家ですが山も持っています。子供の頃から自然の中で遊んでいたので、山には親しんでいました」と林業を目指したのは子供の頃からの自然の流れだったという。将来の夢は?と聞いてみると、「一番上に立つことです。やるからには、腕を磨いて匠と呼ばれるようになりたいです」と笑顔で答えた。
今の会社には、伐採が上手でどんな機械でも扱える先輩がいるという。その人をお手本にがんばっているそうだ。「毎日の作業の1つ1つが勉強です。自分の中で、新い知識がどんどん増えていくのがうれしいです。山では、春は桜、夏は蝉の声、秋は紅葉と、四季の自然を間近で見ることができるのも楽しいですね。林業に就いてよかったと思いまます」と話す。
そんな清水さんの休日の楽しみは、ローンで買ったばかりの車を洗うことだという。これからも、がんばって頼れる森林の担い手になって欲しいものだ。


やる気があって健康なら年齢は関係ありません。
常陸大宮市森林組合 尾崎 啓一さん (平成19年度 基本研修生)

尾崎 啓一さん 尾崎さんは衣料関係の会社に10年以上勤めていたが、景気が悪くなってきたので転職を考えたそうだ。
以前から山歩きが趣味で、自然の中で働くことに興味を持っていた。ハローワークで今の組合の募集を見て、自分にできるかどう か不安だったが、思い切って応募したという。「最初の頃は、家に帰って横になっても、まだ足がつりました。今ではすっ かり慣れてきたので大丈夫」とのことだ。
「伐倒は、まだ怖いですね。先輩がやるのをよく見て、勉強しています。山の手入れをして、森林の中がきれいになっていくのを見るのは本当に気持ちがいいです。以前の職場の人からは顔色がよくなったね、って言われます」と満足そうだ。
山仕事の楽しさを聞いてみると、「自然に親しめることですね。鳥が好きなので、いろいろな鳥の声を聞けるのが楽しいです。先日は偶然、ムササビが飛ぶところを目撃しました。こんな体験ができるのも林業ならではです。やる気があって健康なら、年齢は関係なくできる仕事だと思います」と話してくれた。


将来は管理の仕事に就き林業の地位向上を目指したい。
茨城県森林組合連合会 郡司 昌利さん (平成19年度 基本研修生)

郡司 昌利さん 大学卒業後、スポーツ用品販売、ゴルフ場勤務を経て研修生になったという郡司さん。以前、長野県の山の中のホテル で働いたことがあり、そのときから山で働きたいと思っていたそうだ。
今の職場に入ったのは、インターネットで森林の仕事ガイダンスのことを知り、昨年の東京ガイダンスの茨城県ブースを訪れ、相談したのがきっかけだという。「スポーツをやっていたので体力には自信があったのですが、山仕事は上り下りが多くて身体にこたえました。1日で2kg体重が落ちたこともあります」と苦労を語る。「現場作業を一生懸命に勉強して、将来は管理の仕事に就けたらと思っています。
今は林業が低迷していますが、林業をやってちゃんと収入が得られ、普通の生活ができるような環境を実現するのが夢です。そうすれば、普通の人が、普通の職業として林業を選択できるようになります。難しいかもしれませんが、県森連という立場でなら、ある程度アピールできるのではと思っています」と将来の構想を話してくれた。


林業は、地球環境のためになるやりがいのある仕事です。
大子町森林組合 金澤 昌紀さん (平成19年度 基本研修生)

金澤 昌紀さん 金澤さんは、地元の高校の林業科を卒業後、建設業に13年就いていた。
転職のきっかけは、仕事のストレスで体調を崩してしまったこと。「土木工事の管理の仕事をしていたのですが常に工期に追われ、ストレスで胃をやられてしまいました。転職には勇気がいりましたが、思い切って飛び込んでみました」と話す。林業を転職先に選んだのは、たまたま家の近所に森林組合の班長さんがいたからだという。「消防団の新年会で会ったときに相談してみたら、林業就業支援講習会のことを教えてくれたので、受講してみました。今までは林業というと木を伐る仕事としか思っていなかったのですが、講習会で地球環境に貢献できる仕事だと知り、やってみようと思いました」という。
実際に林業についた感想を聞くと、「正直、キツイです。でも、半年がまんすれば、何とかなります。精神的にはかなり楽になりました。何十年も手入れをしていない人工林を間伐して、お天道様の光が差し込んでくると、木が元気になるのを実感できます。転職してよかったなと思います」と笑顔を見せる。

指導員・受け入れ側の声

仕事を覚えていこうというやる気が大切です。
美和木材協同組合・指導員 小松 隆司 さん

小松 隆司さん 小松さんは30歳とまだ若いが、林業歴は12年。3年前から研修生の指導をしている。
「指導に際していちばん気を遣っているのは安全です。作業の時は、必ず指さし確認をするよう指導しています。また伐倒では、枝の張り方など、木をよく見ることを教えています」と話す。「私が林業を始めたときについていた親方に、人のいい仕事を盗めとよく言われました。ただ見ているのではなく、受け口はどうなっているかなどをよく見て覚えて、いいものは自分のものにしろ!と。私も研修生には、同じことを言っています」と話す。
指導している研修生について聞くと、「林業科を卒業しているので知識もあり、物覚えがいいので助かっています。この世界でやっていくんだ、という強い意志を感じます。器用、不器用は時間が解決してくれます。やる気がいちばん大切ですね」と話してくれた。


山仕事には女性にできる分野もある。もっと女性に入ってきて欲しいですね。
有限会社東和木材産業専務取締役 和田 道代さん

和田 道代さん東和木材は、製材と素材生産を営む林業事業体だ。昭和32年に道代さんのお父さんが興した会社で、製材業は平成になってから始めたという。
道代さんは高校卒業後、東京の学校へ進学し、卒業後、会計事務所で働いていたが呼び戻され、以来ずっと会社を手伝っているという。
「経理の他にトラックで出荷もやっているんですよ。水戸や土浦あたりまで材を積んで走っています」とにこやかに笑う。「女性と男性では体力的に差が出るのは当たり前。すべて同じようやるのは無理ですよ。仕事には、女性でもできる分野、男性しかできない分野がありますからね。でも機会があれば、女性にもっと入って来て欲しいですね」と話す。
ご主人も同じ会社で働いている。お子さんは21歳になるご長男を筆頭に3人いて、すでに上の二人は外に出て、いま家にいるのは中3になる次男だけとのこと。また、「緑の研修生」は平成16年から毎年採用していて、本年度の研修生は住み込みで働いている。
「毎朝5時に起きて、父、主人、息子、研修生の4人分のお弁当を作っているのよ」と主婦としての仕事も大忙しだ。「山の仕事は、お天道様と一緒の仕事。身体にはいい仕事です。まわりに喜びを与える、明るい人に来て欲しいですね」と話す。



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