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緑の研修生新聞 鹿児島県篇
「緑の研修生」ニューストップへ 研修生の声 鹿児島県の森林と林業 森林の知識
鹿児島県は、九州一の森林面積を誇る森林県。
飛行機が鹿児島に近づくと、霧島連山が眼下に広がる。遙か遠方には桜島の姿も認めることができた。羽田からは2時間弱のフライトだ。鹿児島県は、日本本土最南端の県。かつては島津藩の領地で「薩摩」と呼ばれていた。温暖な気候の下に緑豊かな森林が広がっている。また、世界自然遺産に登録されている屋久島などの特色豊かな島々、桜島・霧島などの火山、豊富な温泉など多彩で豊かな自然に恵まれた森林県だ。森林面積は約59万ヘクタールで九州一の広さ。そのうち民有林は約43万3千ヘクタール、国有林が約15万6千ヘクタール。また、人工林面積は、30万3千ヘクタールで、これも九州一を誇る。樹種別に見ると人工林は、スギ、ヒノキ、アカマツ・クロマツなどの針葉樹林が大半をしめる。しかし、天然林は広葉樹林が多い。とくに大隅半島の南部にある稲生岳、木場岳一帯の森林は、タブノキ、イスノキ、アカガシが原始のままの姿をとどめる西日本最大級の照葉樹林となっている。そして、屋久島では、山々に降る多量の雨と輝く太陽が豊かな森林を育み、標高500mを超える山地には「屋久杉」と呼ばれるスギが自生し、その中には樹齢2千年という巨木も存在する。また、竹林の面積も全国一。林産物生産では、「竹材」と「薪」の生産が全国1位。「タケノコ」の生産が全国2位となっている。

「緑の研修生」 鹿児島県の「緑の研修生」は総勢90名。本格就業に向け準備中。
鹿児島県の「緑の研修生」は総勢90名。6月に、鹿児島地区、北薩・姶良(あいら)地区、曽於(そお)・肝属(きもつき)地区の3地区・3会場に集合し基礎研修を受けた。鹿児島地区は、「森の研修館かごしま」に集合し、クレーンの操作、玉がけなどの技術を取得した。その後、「緑の研修生」たちは、それぞれの受け入れ先森林組合に分かれ、下刈りや枝払いなど基本的な作業や道具類の手入れ・整備などの指導を受けた。今までに、集材・搬出や除間伐の作業なども終え、4月からの本格就業に向けて最後の研修に励んでいる。


屋久島の千年杉 縄文杉で有名な屋久島は、九州一の高い山を持つ世界遺産の島。
屋久島は、佐多岬の南方海上に位置する周囲約130kmのほぼ円形の島。面積は、約500平方キロで、淡路島ほどの大きさ。90%が森林に覆われている。その小さな島に九州一の高さを誇る宮之浦岳(標高1935m)をはじめ、標高1000メートルを超える山々が46もひしめいている。その中で標高1500mを超す山は20を数え、九州の高い山の上位7位までがこの島に集中している。「洋上アルプス」とも呼ばれる所以である。島の位置は亜熱帯に属するが、標高が高くなるにつれ亜熱帯から暖温帯、温帯、冷温帯へと気候が変わっていく。言い換えれば一つの島に九州南部から東北地方までの気候が存在しているということになる。また、屋久島は雨が多いことでも有名。輝く太陽と豊富な雨量が、屋久島に独自の豊かな森林をもたらしている。屋久島の標高500m以上の高地には屋久杉が自生している。樹齢が2千年を超える巨木も数多い。有名な「縄文杉」は樹齢7200年とも言われていて、縄文時代から生き抜いていることで縄文杉と呼ばれている。樹高25.3m、根回り43.0m、胸高周囲16.1mという巨木で、現在発見されている屋久杉の中ではもっとも大きく、日本の中でも最大級のスギだ。屋久島は、1993年には、白神山地とともに日本ではじめて世界自然遺産に登録されている。


昔の屋久杉伐採 古い歴史を持つ屋久島の林業
森林の島である屋久島は、林業の歴史も古い。屋久島では、中世の末期になって屋久杉の伐採がはじまったが、当時は特別な建築のためだけに伐採が行われていたという。400年以上前に大隅正八幡宮(現・鹿児島神宮)の建築や豊臣秀吉による京都方広寺の建築に利用されたことが記録に残っている。江戸時代になると島津藩により屋久杉の伐採が本格的になった。この当時の伐採跡には、次の世代のスギが育ち、森が受け継がれている。


大楠 蒲生町、八幡神社境内のクスは日本一の巨木。
蒲生町の八幡神社境内にある大クスは、昭和27年に国の特別天然記念物に指定された巨木。昭和63年に環境庁(当時)が行った全国巨樹巨木林調査で日本一の巨木であることが立証された。推定樹齢は、約1600年で幹回りが24.2m、高さが30m、根回り33.5m。根元には、畳が8枚入る大きな空洞がある。クスの木は成長が早く、病害虫にも強く、江戸時代には樟脳の原料として重宝され、県内各地で植林が奨励されていた。昭和45年には、カイコウズに引き続き鹿児島県の木に指定されている。


幹 九州新幹線「つばめ」の内装には鹿児島県材が使われている。
九州新幹線「つばめ」号は、鹿児島中央駅と新八代(熊本県)駅間の約127キロを最高時速260キロ、最短34分で走り抜ける。将来は福岡県の博多まで延長され、鹿児島・博多間を約1時間20分で結ぶ予定だ。流麗なシルエットのつばめ号は、内装にも個性が光る。九州独自の素材や伝統技術を活かした「和の装い」がそのテーマだ。シートのひじ掛けや窓のブラインドには鹿児島県産のサクラ材が使用されている。他にも仕切りは熊本県産のクス、洗面所には八代のイグサを編んだ縄のれんが使われている。


丸棒加工施設 間伐材の有効活用をめざした南薩森林組合の丸棒加工施設。
南薩森林組合では、間伐材を丸棒、杭などに加工し市場価値を高めて流通させるための加工施設を稼働させている。広々とした敷地の中に建つ加工施設は、骨組みや壁面に間伐材が使われていてウッディな雰囲気だ。間伐によって伐り出された木材のうち、太いものは同じ敷地内にある柱材加工施設へ運ばれ、残りのものがこの丸棒加工施設に運ばれる。施設内にはオートメーションの加工機械が設置されていて、瞬く間に樹皮がはがされ、適切な長さに切断され、丸棒に加工されていく。「緑の研修生」たちも加工作業に携わっている。近代的な工作機械のオペレーションも新しい林業の姿の一つだ。


屋久島風景 緑豊かな県土づくりのために新グリーンプラン21を推進中。
鹿児島県では、緑豊かな県土づくりを推進するために平成14年から平成22年までを計画期間とした「新グリーンプラン21」(鹿児島県緑化基本計画)を実施している。この計画の目標は、「みんなでつくる みどり豊かで潤いのある鹿児島」。県民一人ひとりが緑を守り、育てることの大切さを心に刻み、県民と民間企業・団体、行政などが手を携え、それぞれがそれぞれの立場で緑を造り・緑を守り、そして緑とふれあう活動に主体的に参加し、緑と人が共に生きていくことを目指している。


ヤクスギ スペースシャトルに搭載された種子から生育した「宇宙ヤクスギ」。
宇宙開発事業団の毛利衛宇宙飛行士がスペースシャトル「エンデバー号」で2度目の宇宙飛行のときに、毛利氏のご厚意により、地球環境を考えるシンボルとして、世界自然遺産・屋久島の屋久杉の種子がスペースシャトルに搭載され宇宙空間へ旅立った。その後、鹿児島県で開かれたミッション報告会「美しい星・地球を語る」において毛利氏から鹿児島県知事に返還されていた。その屋久杉の種子1180粒から546粒を厳選し県林業試験場で発芽試験を行った。種子は採取から1年半近く経過しており、発芽の可能性は低いとみられていたが、6本が発芽。うち5本が自然の中で生きていける大きさに育った。この5本を「宇宙ヤクスギ」と命名し、屋久町の屋久杉自然館、上屋久町の屋久島総合運動公園、南種子島の種子島宇宙センター、毛利氏が館長を務める日本科学未来館、県林業試験場の5カ所に植え付けられている。


かごしま材 県産材を使った木造住宅造りを推進。その中核となる認証かごしま材。
鹿児島県では、県内の森林で育った木を使って、地元の工務店などが木造住宅を造る「地材地建」の活動を推進している。県林業振興課と県住宅課が中心となって、「かごしま材の家づくり連携プロジェクト」を作り、材木を加工する製材工場や流通に携わる建材店、住宅を建てる工務店などが連携して、県産材の利用促進を図る。その中核となるのが、県内産木材をブランド化した「認証かごしま材」。県内で育成・加工された製材品の中から用途ごとに品質、寸法、乾燥などを日本農林規格(JAS)に照らし合わせて検査し、合格した木材を「認証かごしま材」と呼んでいる。認証を受けた木材にはステッカーが貼られ、一目でわかるようになっている。


切り株 タケノコ、シイタケなどが有名な鹿児島の特用林産物。
特用林産物とは、森林で産出される産物のうち木材を除くものの総称。シイタケなどのキノコ類をはじめ木の実や山菜、薬用植物、タケノコ、竹、木炭、薪など多岐にわたる。豊かな自然に恵まれた鹿児島は特用林産物の産出量も大きい。なかでもタケノコは、日置、川薩、出水、姶良地域を中心に生産団地が整備され、「早堀りタケノコ」のブランド化を推進している。また、シイタケは姶良、大隅、鹿屋地域を中心に栽培施設を充実させ、品質向上と生産拡大に努めている。その他、大隅地域のシキミ、サカキなどの花木生産や奄美地域のソテツなども集出荷体制を整備し産地化を図っている。竹林面積日本一であることから、竹材や竹炭の生産も盛んである。


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