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緑の研修生新聞 高知篇
「緑の研修生」ニューストップへ 研修生の声 高知県の森林と林業


新しい「緑の研修生」からの生の声をうかがいました。

もう、プロセッサの操縦もしています。 武政 広行 さん 32歳 香美森林組合

武政 広行 さん 「山の仕事を始めてまだ1ヶ月も経っていません」という武政さん。正式には6月1日から実地研修に入った。なのに、もう林業機械を操作していると聞き、ちょっとびっくり。指導員に聞けば、「機械の方がかえって安全なんですわ」とのこと。なるほど、慣れない伐採などより操縦席にいた方が安全というのは分かる。もとより、指導員のきちんとしたコーチがあっての話だ。「この仕事に就く前はパン職人でした」と聞いたときも意外だった。「パン屋の同僚に、山で働いている知り合いがいたんです。で、山のこと、仕事のことをいろいろ聞いて・・。自然が好きだったから決めました」とにっこり。彼は、5歳の女の子、1歳の男の子のお父さん。「5時半にはもう家に着いて、子どもたちといっしょに過ごせるから、いいですね」と語るその顔は、優しいお父さんの顔だった。


彼女の作ってくれた弁当がうまい。 山本 剛 さん 23歳 香美森林組合

山本 剛 さん 栃木県出身の山本さんは、大学を出てすぐ緑の研修生に。なぜ高知を?との問いかけには、「高知大学の農学部で、森林科学課だったんです。実習で山には入っていたし、4月から組合でバイトとして働いていましたから・・」とのこと。高校時代は山岳部だったといい、山好きもこの仕事を選んだ理由。「これまでスギとかヒノキの植え付けをやったり、間伐をしたり、間伐した山の測量をしたりしましたが、まだまだかじったばかり。これから覚えることの方が多いですね」という。住まいは西隣にある南国市でアパートぐらし。お弁当はどうしているの、と聞くと、「彼女に作ってもらっています」と返ってきた。「山で食べる弁当は、うまいです」と笑う彼。どうやら、高知にとどまって森林の仕事に就いたほんとうの理由は、そこいら辺にあるようだ。


体を動かすのが好きだから。 水島 守三郎 さん 22歳 香美森林組合

水島 守三郎 さん 「ボクも山本さんと同じ、高知大学でした」という水島さん。彼も森林科学課で、3月の終わりから組合でバイトとして山の仕事をしていたそう。「学生時代から環境問題に興味があったし、体を動かすのが好きだから、この仕事は合ってますね」と語る。スポーツは陸上の中・長距離をやっていたとのこと。「間伐のために木を伐るのも、集材のために機械を操作するのも、楽しいです」「お弁当も早起きして、自分で作ってますよ。たまにはコンビニのときもあるけど・・」と、笑う彼。出身は大阪。彼女はまだいないという。「自然が好きで、気の合う人がいいですね。でも、山のなかでは、彼女は見つけられませんね」と明るく話す。


ずっと続けようと思う。 岡本 和志 さん 30歳 物部森林組合

岡本 和志 さん 「高知市の西にある春野町で、クルマの整備工をしていました。」という岡本さんは、奥さんと子ども一人の3人家族。この仕事に就いた動機は、「転職は女房の希望だったんです」という。「前のところは、町の小さな整備工場で、給料も日給月給で不安定でした」「親戚のおじさんが山で働いているベテランで、その人に森林組合を紹介してもらいました」とのこと。「女房がいちばんよろこんでいるんじゃないですか」と笑う。仕事はどうですか、の問いには「高校時代は自転車部だったので、体力的には自信あったんですが、最初はやっぱりきつかったですね。いまはもう慣れたし、ずっと続けようと思ってます」と話す。休みの日には、趣味でバイクのオーバーホールをするなど、暇をみては機械いじり。数年後には、きっと組合の林業機械を整備していることだろう。


こんどは森林のキーパーです。 鎌土 竜太朗 さん 27歳 物部森林組合

鎌土 竜太朗 さん 「前職はトラック運転手でした。福岡の方にいて、九州や中国地方を走ってました」という鎌土さん。お父さんはこっちの出身だとのこと。その母親に当たるおばあちゃんが体をこわしたため、面倒を見るためにこちらへ来た、と語る優しい男だ。いまはまだ独身だが、前の職場で知り合った彼女とおばあちゃんの家で暮らしているという。「4月から働いてますが、慣れないことばかりで難しいですね」「いまは貯木場でフォークリフトに乗ってます。材木を選んで仕分けしたり、トラックに積み込んだりしてるんです。前の仕事のとき、フォークリフトでパレットは積みましたけど、丸太は転がるし、長いし、苦労してます」と苦笑い。学生時代からサッカーをやっていたそうで、社会人になってからもクラブに入っていたと話すスポーツマン。「ポジションはゴールキーパーだったんですが、こんどは森林のキーパーです」とにっこり。


自然の中にいるのが好きですね。 川井 建次郎 さん 39歳 香美森林組合

川井 建次郎 さん 「趣味は鮎釣り、昔は渓流釣りもずいぶんやりました。カモなどの狩猟もやったことがあります」と語るのは、川井さん。休みの日には釣りだけでなく、山菜採りにもでかけるという彼。「自然の中で過ごしているのが好きなことが、この仕事を選ばせたのかもしれませんね。釣りが好きなこともあって、水をきれいにしたいということも、山で働きたいと思った理由のひとつ。水も、生き物も、みんな山につながってますからね」という。以前は建設業だったが、ハローワークからの緊急雇用でこの仕事に就いたそうだ。いま主に間伐をしてるんですが、山の中で働くって、ほんと気持ちいいですよ。伐った木が倒れるときは爽快だし・・」そう言って、目を細めた。子どもの話では、「上が女で、下が男。1姫2太郎ですよ。帰って子どもの顔を見ると疲れも消えますね」と、目尻を下げる子煩悩なお父さんだった。


指導員からのひと言

100年後にはすばらしい山に。 植田 記行 さん 43歳 香美森林組合指導員

植田 記行 さん 「いま、今年度の緑の研修生を二人預かって、指導しています」という植田さん。「研修生には、日本の山を自分たちが育てるんだ、という気持ちで取り組んでほしい。荒れた山を整備して、100年後にはすばらしい山として残せるように・・」と語る。自身が転職組で、「以前は鉄工所に勤めでした」とのこと。「高校の時は海洋高校で、ほんとうは船に乗りたかったのだけど、いまは海ではなく山。まあ、どっちも自然相手ですけど・・」と笑う。また、「周りの人は、みんなおおらかで、いい人ばかり。いまの自分は、みんなに育ててもらったようなものですね」ともいう。明日からは、林業高性能機械の整備、修理の研修を受けに岡山まで行くとのこと。「資格を身につけて、組合の中で機械の修理などをできるようにするためです」と教えてくれた。


山の仕事は、何より経験です。 森本 幸男 さん 60歳 香美森林組合指導員

森本 幸男 さん 「山で一人前になるには、最低5年はかかるといわれてますが、やっぱり経験を積まなければダメですね。習うより、慣れろ。木を伐るのにも、10本より20本、20本より30本、たくさん伐った方が技術を身につけられるわけで・・」と語る森本さんは、この仕事のベテラン。「組合に入ってまだ7年だけど、民間の山で人夫として仕事をしてましたから。そのときに、技術を身につけました」とのこと。
「研修生はまだ危なっかしいところもありますが、若いのですぐ慣れてくると思う。安全のための基本はきちんとやってもらって、事故を起こさないようにしてほしい。みんな、体が資本ですからね」と、指導者ならではの言葉。そして、こうも言った。「山を好きになってほしい。それが一番かな」


先輩からの声

早く一人前に、と燃えています。 杉本 忠義 さん 22歳 高岡郡東津野村 森光造林(株)

杉本 忠義 さ 私はそれまで土木の会社に勤めていました。土木関係の免許、資格も10種くらい持っており、未練もありましたが、森林の仕事の魅力と林業に従事している兄と同じ仕事ができることに惹かれ、去年、「緑の研修生」になりました。職場には「森の名手・名人100人」の一人に選ばれた人がおり、直接指導を受ける幸運に恵まれています。伐採作業をはじめ、集材架線、集運材作業など基本的な技術を実地で習得でき、実地研修後に専門研修まで受けられ、この制度のありがたさを実感しました。これからも技術の向上、高性能林業機械のマスターなどに努め、早く一人前になり、将来は林業事業を支えていける人になれれば、と燃えています。


最初は圧倒され、身震いすら感じた。 濱田 明洋 さん 28歳 吾川郡吾北村(有)伊藤林業

濱田 明洋 さん 「緑の研修生」になったのは昨年の4月。最初は、飯場生活があったり、鹿や猿に出会ったり、街育ちの私には想像できなかったことの連続で、たじろぐ思いでした。狭くて危険な作業道を行き交う重機や大型トラック、太い木材を軽々と扱う機械作業などに圧倒され、身震いすら感じました。しかし、山で働く人たちの人間性にも魅力を感じ、先輩たちについていこうと思ったのです。集材架線の設置作業のときなど、ずしりと重い荷物を担いで山を登るのは、簡単に考えていた私を打ちのめすような辛さでした。そんなときも、目の前を登る先輩の後ろ姿に励まされ、勇気づけられました。知識と豊富な経験が必要な林業の仕事。まだまだ技術を身につけるまでに至っていませんが、大まかな作業の流れは理解できるようになりました。時間はかかるでしょうが、先輩について、立派な山師になれるようにがんばっていきたいと思います。


隣県から

四季を感じながらの、贅沢な仕事環境だと思う。 森 貴大 さん 22歳
愛媛県越智今治森林組合

森 貴大 さん 生まれ育った故郷で働こう、と4年間生活した大阪を離れ、愛媛で山仕事をすることに。とはいえ、林業のことは全く知らない私にとって、毎日が驚きと失敗の連続。初日には、地下足袋のこはぜすら、うまく止められませんでした。山仕事をはじめた頃は、特に足が筋肉痛。先輩は山の中でもスイスイ行ってしまい、ついていくのも大変でした。今ではみんなと同じペースで歩けるようになり、体力的にも少し自信がつきました。この仕事は自然が相手ですから、新芽の息吹、新緑、紅葉、新雪はもとより、渡り鳥のさえずりや野生動物との遭遇など、四季折々の自然を感じながら仕事ができます。しかも、山は食材の宝庫です。これは、ある意味とても贅沢な仕事環境だなと思います。しかし、仕事は常に危険と隣り合わせ。時には、他人を巻き込んでしまう場合もあります。常に周りを意識して作業しなさい、と先輩によく言われます。山仕事は個人プレーのようで、実は団体プレー。これからも先輩のみなさんの足を引っ張らないようにがんばり、自然との出会いを楽しみながら続けていきたいと思います。


木に関係した生活をしたい。 大西 純一 さん 50歳 愛媛県上浮穴郡久万町 (株)いぶき

大西 純一 さん 私は建築施工管理の仕事をしていましたが、もっと木に関係した生活をしたいとかねがね思っていました。昨年の4月から「緑の研修生」となり、同じ木を扱うにも、加工する側から育てる側に変わったのです。それまで林業の知識も技術もなく、最初に伐倒作業を見たときにはその迫力に恐ろしさを覚えたほどでした。また、チェーンソーや燃料タンクを装備しての行軍で、軽口を言う余裕もなくなり、恥も外聞もなくへたり込んでしまった苦しさは忘れられません。そういうとき、山の冷気や周りの人のさりげない気配りに癒され、ありがたいと思いました。少しずつ慣れるに従い、周囲を見渡せる余裕も出てきましたが、先輩諸氏の作業の精度、効率、安全性、どれをとっても技術差が歴然とあり、とにかくその差を1日でも早く埋めたいと思っています。大切な生き物を扱うように山の木々に向かうベテランの人の仕事を見て、私は気遣いということは人間に対してだけでなく、万物に対して遣う言葉なのだと素直の思えるようになりました。



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