気候風土に恵まれ、森林資源が豊かな三重県。古くから林業が盛んなこの地で、森林の担い手をめざす研修生たちの声をお届けします。 |
| 松阪飯南森林組合 三谷 明生さん |
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自動車販売会社に勤めていた三谷さんは、三重県のグリーンボランティアに参加し、そこで林業を体験した。 「屋外で身体を動かして働きたい、と思いはじめました。でも林業に転職するのは現実的ではないと思い、運送会社に転職したんです」。 しかし、その後も林業をやりたいという気持ちを捨てきれずにいた。そんなときに新聞広告で“森林の仕事ガイダンス”のことを知り、会場に駆け付けた。 「地元の鈴鹿森林組合で緊急雇用を受けました。しかし、鈴鹿では研修生を受け入れる予定がなかったので、いちばん近い松阪飯南森林組合に応募しました」と経緯を語ってくれた。 研修は、ボランティアとは違い、想像以上にきびしかったという。しかし、今はやっていける手応えを感じているという。 住まいは、組合が紹介してくれた1戸建て。過疎で住む人がいなくなった古い民家を借りている。 「3LDKで家賃が1万5千円です。風呂は五ェ門風呂なんですが、さすがに不便なのでガスの給湯設備を付けてもらいました。庭と畑まで付いています」と山村ならではの生活環境のようだ。 近所の人たちからも大切にされているという。 研修終了後は、組合の作業班に入って森林の担い手として第一歩を踏み出す。 「ボランティアが入り口なので、環境保全に貢献できることがいちばんのやりがいですね」と笑顔で語った。。 |
| 松阪飯南森林組合 間々田 隆史さん |
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高校卒業後、福岡から松阪の紡績工場に就職した間々田さん。 仕事にストレスを感じ、工場を辞めて求職活動をはじめた。そのときインターネットで和歌山県の就業相談会のことを知り、相談に行った。 そこで8カ月間、緊急雇用で林業を経験し、土地勘のある松阪に戻って研修生になったそうだ。 研修での苦労を聞くと、「体力的にきついのはもちろんですが、危険の度合いが大きいのにも最初は驚きました。かかり木処理など、経験がないと予測がつかないことが起こるので気を使います」。 しかし、経験を積むにつれ仕事がおもしろくなってきたそうだ。「1年前に比べてだんだん大きな木を伐れるようになりました。変化が大きい仕事なので、やっていておもしろいです」と答える。 今、やっているのは出材のための間伐。 「切捨間伐と違い、ちゃんと倒さないといけないので難しいです」。 昨年10月に結婚したばかり。奥さんは地元の人で、研修先に三重県を選んだのもそれが理由だったそうだ。今は奥さんの実家の近くに住まいを借りている。 現場まで車で1時間以上かかり、少し遠いのが悩みの種。 「今、やりはじめたばかりなので、もっと技術を身につけ、続けていきたいです。どんな作業でも、うまくいくとうれしいですね。自分でやったことが、自分の目で見られることがいいところです」と語る。 |
| 大紀森林組合 山添 暢紀さん |
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「どうしても地元で働きたかったので研修生になりました」と語る山添さんは、大学を中退し、2年間ほどアルバイト生活を送っていた。 |
| 大紀森林組合 谷口 有希さん |
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谷口さんは、三重県最南端の紀宝町出身。 お父さんは熊野川の瀞峡(どろきょう)で観光船の船長さんをしているという。家には山があり、お祖父さんが紀州鉱山で銅を掘るかたわら山仕事をしていた。 子供の頃は、お祖父さんに連れられて山に入り、手伝いをしていたそうだ。そんな体験があるので自然と林業を志すようになった。 何故、故郷から離れた大紀町の森林組合に?と聞くと、結婚したばかりの奥さんの実家が近いからとの答えだった。 20歳の時に結婚し、今は11カ月の娘さんがいる、若いお父さんだ。 「仕事はおもしろいです。体力的にも大丈夫でした。1年の研修を経験して林業をやっていく自信がついてきました」と頼もしい発言。 聞けば高校時代は野球部でライトを守っていたそうで、体力には自信があったようだ。 今の住まいは組合の紹介で借りたもの。毎日、奥さん手作りのお弁当を食べるのを楽しみにしているという。大紀町は、海も山もありいいところだという。 何か名物はあるの?と聞くと「シイタケが名物です。大きくて、おいしいですよ」と教えてくれた。 |
| 大紀森林組合 中垣内 和行さん |
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地元、大紀町出身の中垣内さんは、農業をやりながら土木関係の仕事をしていた。 「田舎育ちだから、山の自然が好きなんです。それで林業をやりたいと思いました」と林業への転職を考え、ハローワークで緊急雇用に応募した。 「仕事をやってみて、すっかり気に入りました。これはいい仕事だなあと思い研修生にも応募しました」と語る。 しかし研修では、山歩きがつらかったそうだ。夏は山ヒルが出て、それが嫌だったという。「山の木の上から落ちてくるんです。地下足袋をとめているゲートルの間から入ってきて靴下の上から血を吸う」と生々しい体験を話してくれた。 防御策は?と聞くと「ハッカ液を上からかけます。山ヒル用のスプレーもあります」と教えてくれた。 今は列状間伐の仕事が多いそうだ。中垣内さんは建設機械の資格を持っているのでスイングヤーダを扱うこともあるそうだ。 「倒した木はスイングヤーダで上げます。建設機械と違いスイングヤーダは指先で細かい操作が必要。難しいです」。 自宅には田んぼが3反ほど。山も少しあるという。「土木の仕事は終わるのが遅かった。その点、林業は定時に終わるのでいいですね。日の長い季節なら家に帰ってから農作業もできます」と微笑んだ。 最後に、「私も研修生になる前に、この研修生ニュースを読んだことがあります。いろいろな体験をしている人がいるのだなあと感心しました。私も負けないようにがんばっていこうと思っています」と締めくくってくれた。 |
| 宮川森林組合 小山 善衛さん |
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「鋳物工場に19年、勤めていたんですが景気が悪くなり、希望退職しました。その後は、トラックの運転手をやっていました」という小山さん。
最初は、林業に特別関心があったわけではなかったという。 「ハローワークで仕事を探していたんですがなかなか見つからず、たまたま宮川森林組合の緊急雇用があったので応募しました。家からも近いし、定年も長いのでいいなあ、と思ったのがきっかけです」と語る。 周りが山ばかりの所に住んでいるので、山仕事のことは知ってはいたが、自分がやるとは思っていなかったそうだ。 「勤まるか、勤まらないかやってみないとわからない」と思い、とにかくチャレンジしてみた。 「山を登るのが、想像以上にきつかったですね。今は大分慣れました」と苦労を語る。 聞けば、宮川村は昨年の台風で林道に被害が出て、現場まで林道が使えず、麓から登っていくことが多いそうだ。「現場まで麓から2時間ぐらい登っていくこともあります。重い荷物を背負ってなのできついですね。現場に着いてからの作業は楽しいです。思った通りに木を倒せたときはうれしいですよ」。 研修では作業道づくりから間伐、枝打ちといろいろな作業を経験し、興味もわいてきた。研修終了後は作業班に残って林業を続けたいと思っているそうだ。 |
| 宮川森林組合 堤 崇さん |
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堤さんの前職は、割烹料理屋の板前さん。 結婚をきっかけに実家の近くに家を新築し、そこから勤め先に通っていた。しかし、通勤に時間がかかりすぎるので地元の働き口を探したが、なかなか見つからずハローワークで宮川森林組合の緊急雇用を見つけて応募した。それが林業との出会いだったという。 「林業は身体が疲れる仕事だけど、労働時間が短いのがいいですね。板前の時は1日13時間ぐらい働いていました。今は夕方には仕事が終わるので自分の時間をたくさん持てます」と満足そうだ。 何か趣味があるの?と聞くと「今は“変木”を作るのに凝っています」とのこと。山で木の根っこなど形がおもしろい木を拾ってきて、磨いてオブジェを作るのだそうだ。 「あとは庭に池を作ってアマゴを飼っています」。どちらの趣味も班長さんに教えてもらったそうだ。班長さんのことを聞くと「この道35年の名人で、すごい技を持っています。一つの仕事を終えると、すぐに次の仕事に取りかかり動きに無駄がありません。人に教えるのも上手」と大きな信頼を寄せている。仕事だけでなくライフスタイルの師と仰いでいるそうだ。 林業に転職して、新しい趣味もでき、生活にゆとりができたという堤さん。いい先輩たちにも恵まれ、天職を見つけたようだ。 |






