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「緑の研修生」ニュース 宮城県篇
「緑の研修生」の声

「緑の研修生」の声

風光明媚な宮城の森林で森林の担い手をめざす「緑の研修生」の声をお届けします。

東は太平洋に面し、西は奥羽山脈に接している宮城県。県南部に東北最大の広さを持つ仙台平野が広がっているため、森林率は57%と全国平均を下回るが、岩手や秋田と接する県北部には深い森林が広がっている。樹種は、スギ38%、マツ15%、コナラ等広葉樹42%(民有林の資源状況:平成17年12月県調べ)と広葉樹比率が多い。今回は栗駒高原を訪れ、研修に励む「緑の研修生」の声を聞いた。



最初から無理をしないで少しずつ身につけていけばいい。
ナイスクリーン株式会社 羽場さつきさん (平成19年度 基本研修生)

羽場さつきさん 作業療法士の資格を持ち、リハビリ関係の仕事を10年続けていたという羽場さん。以前からアウトドア系の仕事に興味を持っていた。
5年前に雑誌広告で「緑の雇用」事業のことを知り、平成17年度に一度トライしてみたが採用されなかった。その後、造園関係の専門学校に入って資格を取得し、森林ボランティア等にも参加していたという。
「去年、制度が新しくなったと聞いて、宮城ガイダンスに参加し、今の会社に入ることができました」とやっと念願の林業に進むことができたそうだ。「周りから身体がきつくない?と聞かれますが、前のリハビリの仕事の方がきつかったですね」と微笑む。「体力勝負では男の人に負けます。最初から焦らずに、少しずつ基本的なことを身につけていけば、最終的に無駄な動きがなくなり仕事ができるようになります。頑張りすぎると、疲労がたまって動けなくなる。スポーツのトレーニングと同じように、息抜きする時間も必要です」と作業療法士ならではの意見だ。
ヨットが趣味で、今でも連休が取れるときは仲間のクルーザーに乗っているという。「夕方、沖から帰ってくると、山風に運ばれて緑の香りがするんですよ」と海に出ていても、山のことが忘れられないようだ。


身体も頭もフルに使うプロスポーツのような仕事です。
大崎森林組合 小林千晃さん (平成19年度 基本研修生)

小林千晃さん 小林さんは、大学の法学部を卒業後、法律事務所で働いていた。学生時代からアメリカンフットボールをやっていて、社会人になってからもクラブチームで汗を流していた。
しかし、数年前に引退し、スポーツジムで身体を動かしていたが、物足りなさを感じていたという。「自分の中で、身体を動かすことと机に向かうこととのバランスが取れなくなってきたんです。身体も頭もフルに使える、プロスポーツのような仕事はないかなあ、と思っていたときに宮城ガイダンスの広告を見て参加してみました」。
ガイダンスで林業に興味を持った小林さんは、すぐに林業就業支援講習を受けた。「山で実習をしたときに、これはすごい仕事だなと感じました。一見、肉体労働に見えますが、実は頭をすごく使う仕事です」と山仕事の魅力に取り付かれてしまったという。「身体はきついですが、予想していたので驚きはしませんでした。今は何をやっても目新しく、毎日が楽しいですね」と満足そうだ。
「森林を守っていく仕事にプライドを感じます。しかし、今は森林作業員として一人前になるのが第一歩です」と力強く答えてくれた。


他の人のさらに上を行く技術を身につけたいですね。
栗駒高原森林組合 高橋 賢さん (平成19年度 基本研修生)

高橋 賢さん 専門学校を卒業後、液晶ガラス基盤の製造工場に勤めていた高橋さんは、林業に転職した先輩に誘われたのが研修生になるきっかけになった。「身体を動かすのは好きでしたが、体力はあまり自信がなかったんです。しかし説明会で伐倒現場を見て、その迫力に魅せられました」と語る。
高橋さんは地元出身で、お父さんの知り合いに林業をしている人もいて、まったく知らない世界ではなかったそうだ。組合に研修生は5名いて、みんな仲良くやっているという。
林業のやりがいについて聞いてみると、「自分のやりがいは、他の人のさらに上を行くような腕を身につけることです」と負けず嫌いな一面もある。しかし、最初の1ヵ月は、身体が慣れていないのでつらかったそうだ。「山歩きがきつかったですね。下草刈りも手作業でやっていたので参りました」と振り返る。
林業に転職して失敗したかな、と思ったこともあった。「工場の仕事は1日中屋内にいたので息が詰まります。外で働けるのは最高に気持ちが良いですよ」と身体が慣れ、体力もだんだんついてきた今は林業へ転職してよかったと思っている。


家族と一緒にいる時間が増えたのがうれしいですね。
宮城県森林組合連合会 秋元三郎さん (平成18年度 研修終了生)

秋元三郎さん 内装関係の会社に14年勤めていた秋元さんは、数年前に「緑の雇用」の広告を見て林業転職に興味を持ったという。30歳を過ぎた頃から、漠然と転職について考えていたそうだ。
家族は奥様と娘さん、奥様のお母さんの4人暮らしで、転職のことを相談すると「好きなことをやってみたら」と賛成してくれた。「林業就業支援講習を受けて、やっていけるなと思ったので、連合会の面接を受けました」と、研修生になる経緯を話してくれた。
研修生になった頃は、「仕事のスピードについて行けなくてつらかったです。先輩が気を遣ってくれるのも、申し訳なくて…」とのこと。今は、県森連の作業班の一員として、第一線で頑張っている。
「宮城県全体がフィールドなので、県内のいろいろな所で仕事ができるのが楽しいです。車両系建設機械の免許も先日取得し、今後は機械を使った作業もしていきたいです」と抱負を語る。以前の仕事は、ストレスも多く、休みも不定期で、家に帰るのも早くて10時を回っていたという。「林業に転職してから、朝は早いですが、夜は遅くとも7時には家にいます。家族と一緒いる時間が増えて本当によかったと思います」と優しいお父さんの顔になった。

指導員の声

早く一人前になって長く林業に携わって欲しい。
栗駒高原森林組合 千葉俊朗 さん

千葉俊朗さん 研修生を指導している千葉さんは、林業歴34年の大ベテラン。指導上の留意点をお聞きした。「安全作業と各自の健康管理です。後は、研修生どうしのコミュニケーションが大切だと思っています。仲間意識を育み、お互い励まし合って切磋琢磨することで技術の向上にもつながると思っています」と話す。
今年の研修生の印象は、「みんな明るい性格でやる気も十分。よくまとまっていますよ」と満足気だ。
これから担い手を目指す人へは、「林業をよく理解し、何が何でもやるんだという強い意志を持って入って来てください。早く一人前になって、生活基盤を築くことが大切です。それが結果的に地球温暖化防止等に貢献することになると思います」とのことだ。


「緑の雇用」事業が始まってから若い人で林業に興味を持つ人が増えてきました。
石巻地区森林組合 木材生産流通課・間伐推進課・資源活用課 後藤美奈さん

後藤美奈さん後藤さんが勤務する石巻地区森林組合は、職員が20名。その中で女性は6人でほとんどが事務職だという。
「緑の雇用事業が始まってから、若い人が職場にどんどん入ってくるようになりましたね。研修生は毎年3名ずつ受け入れていましたが、今年は1名です」と話す後藤さん。研修生は、ほとんどが地元出身者だという。
林業に興味を持ってくれる若い人も増えていて、先日も2名が作業班で働きたいと組合を訪ねてきたそうだ。「ホームページを見て来たという男の子は、平成生まれの18歳でした」と笑顔を見せる。
普段はデスクワークをしている後藤さんだが、組合の若手職員で構成しているメッサ石巻(森林組合青年部)というグループに参加し地域の植栽事業などのボランティアをして汗を流している。休日は山歩きをするのが趣味。先日も紅葉が始まったばかりの栗駒山でキャンプをしてきたそうだ。
研修生についてお聞きすると、「無理をしないで、先輩の言うことをよく聞いて仕事をして欲しいですね。慣れてくると、自分流で仕事をしてしまい、そういうときが危ないんです」と注意を促す。研修生にも気を遣う優しいお姉さん役だ。

石巻地区森林組合のホームページ
http://www.ishikumi.or.jp/



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