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「緑の研修生」ニュース 宮崎県篇
宮崎県篇


歌人・若山牧水が歌に詠んだ美しい緑をこの手で守っていきたい。
宮崎の「緑の研修生」の声をレポート。


ご飯がおいしく食べられるので体重が増えました。
黒木 高鳴さん  耳川広域森林組合・日向支所

黒木 高鳴さん 以前はガソリンスタンドに勤めていた黒木さん。仕事を辞めてからハローワークの紹介で2カ月間の農道等美化業務の緊急雇用に就いた。その後、ハローワークから「緑の雇 用」のことを聞いてやってみようと思った。「高校も農業の林業科だったので、せっかく学んだことを活かしたいと思いました」。黒木さんはお母さんと2人暮らし。お母さんも林業をめざすことに賛成してくれたそうだ。研修の感想を聞くと「山に登るのがつらいですね。それ以外はおもしろい。仕事を終えた後、達成感があります」という。現在所属している班は5人でその中の2人が研修生。集材や測量の仕事が多く、毎日身体を動かしているという。「身体をよく動かすので、ご飯がうまいです。これにはびっくりしました。体重も以前より増えました」とのこと。休みの日は?と聞くと「ひたすら寝ています」と笑って答えた。研修後の希望を聞くと「ここで辞めてしまってはもったいない。このままずっとやっていきたいです」と意気込みを語ってくれた。


時間が規則的なので普通の生活ができるのがうれしい。
木田 省吾さん 耳川広域森林組合・日向支所

木田 省吾さん 木田さんはマイクロチップ工場で働いていたが、3交代制勤務のため労働時間が不規則だった。そんなとき森林組合の作業班にいる叔父さんから「緑の雇用」制度があることを聞き興味を持った。さっそく森林組合の緊急雇用に応募し、その後「緑の研修生」になった。森林の仕事を経験してみて最初はキツかったという。しかし、働く時間帯が規則的なので普通の生活ができるのがうれしかったという。聞けば知り合って1年の恋人がいるそうだ。「彼女はケガを心配しますが、休みの日が決まっているので喜んでいます」とのこと。ご両親も研修生になったことを喜んでくれているという。これまでで怖かった事はハチに刺されたこと。今は間伐を主にやっていて、木を伐るのは楽しいと、だんだん山の仕事がおもしろく感じられるようになったようだ。


身体が続く限りこの仕事をやっていきたい。
佐竹 秀貴さん 耳川広域森林組合・東郷支所

佐竹 秀貴さん 佐竹さんは、中学1年と2年の息子さんと3人暮らし。「いま、お嫁さん募集中です」とおどけてみせる。以前は出稼ぎでトンネル掘りの仕事をしていた。しかし留守中の息子さんたちの面倒を見ていたお父さんが他界したので、地元での仕事を探し、緊急雇用から研修生になった。前から山が好きだったので、山の仕事がしてみたかったそうだ。
研修は毎日が楽しいという。「みんなと昼飯を食べるときがいちばん楽しいです」。今は2名の研修生に指導員と補助員が付いてくれている。「僕がど素人だから、手取り足取り本当によく教えてくれます。伐倒もはじめは怖いと思いましたが、徐々に木を倒すのが爽快になってきました」と語る。「この制度があって本当によかったと思います。
ここまで仕事を教えてくれることってありませんからね」。今後の希望を聞くと「組合に残って身体が続く限りやっていきたいです」と力強く答えてくれた。休みの日は息子さんを連れて海釣りに行くという佐竹さん。「堤防からの投げ釣りでクロダイや今の季節はアオリイカが釣れます」と笑顔がはじけた。


きれいになった山を見るのが楽しいです。
畝原 寿彦さん 耳川広域森林組合・東郷支所

畝原 寿彦さん 福岡の大学で経営学を学んでいた畝原さん。お父さんが森林組合の作業班の班長をしていて、休みの時に山仕事を手伝っているうちに林業に興味を持った。卒業してもサラリーマンになる気はなく、ちょうど緊急雇用があったのでそれに応募し、緑の研修生になった。20年山仕事をしているお父さんは喜んでくれたそうだ。お母さんは、せっかく大学に行ったのだから事務職の方がいいと思うが、あなたがやりたいのならいいんじゃない、と最後は賛成してくれた。山の仕事の魅力を聞くと「乱雑できたなかった山が下草刈りをするときれいになっていくのが楽しいです」という。中学までは剣道、高校・大学は弓道をやっていたので体力・集中力には自信があるようだ。研修中、ひやっとしたのは刈払機でキックバックを起こしたとき。「ずっと同じことをやっていて慣れてしまって注意が散漫になりました」といい教訓になったようだ。
休みの時はお父さんの手伝いもしている孝行息子。お父さんも立派な跡取りができて安心なことだろう。


様々な資格を取って森林の仕事のプロになりたい。
菊田一成さん 耳川広域森林組合・北郷支所

菊田一成さん 高校時代はテニスで身体を鍛えていた菊田さん。お父さんも林業をしていて、子供の頃から山の仕事を手伝っていたという。家は林業の他に米やお茶も作っていて、高校を出てすぐ1年間はお茶栽培の研修に出ていた。帰ってきて組合の人から「緑の研修生」のことを聞き応募した。研修を受けて半年、「自分では身に付いているかどうかわかりませんが、周囲からは進歩したと言われるようになりました」とのこと。北郷支所の研修生は3名で、みんな幼なじみなので仲が良く、よく集まっているという。お父さんの姿を見て、林業には子供の頃から憧れていた菊田さんだが、暑さ寒さはつらかったそうだ。「夏の暑さがいちばんつらかったですね」と振り返る。菊田さんの希望は、重機をはじめ様々な免許・資格を取得すること。「今の林業は機械も使います。まだ研修では重機の操作は習っていませんが、これからいろいろな資格を取ってベテランになりたいです」と熱く語ってくれた。研修終了後は、自分の家の仕事をしながら組合の作業班に入ってやっていきたいという。


大きな木を切り倒すときはすっきりします。
松田 卓さん 耳川広域森林組合・北郷支所

松田 卓さん 研修生なる前はぶらぶらしていましたという松田さん。仕事を探しているときに、土木業を営んでいるお父さんが「緑の研修生」のことを教えてくれたという。「まさか自分が林業をやるとは思っていませんでした。最初はきつかったけど、今はやっと慣れてきました」という。最近は面白さも感じるようになり、大きな木を伐り倒すときはすっきりするという。特にスポーツはやっていなかったが、身体を動かすのは性に合っているそうだ。「研修が終わってからも、このまま続けていきたい」と組合とも話をしている 。
家族はご両親とお兄さんが2人、妹さんが1人。上のお兄さんは木工団地にいて、下のお兄さんは自衛隊だそうだ。今は実家から少し離れたお祖母さんの家に住んでいる。お弁当は毎朝、お母さんが作ってくれ、それを取りに行ってから仕事に出かけるのが日課。口数は少ないが、山の仕事の手応えをしっかり感じているようだった。


大きな木が伐れる匠になりたい。
谷口 誠治さん 耳川広域森林組合・北郷支所

谷口 誠治さん 谷口さんは、お父さんとお祖母さん、お兄さんの4人暮らし。お父さんは大工で農業もやっている。お兄さんは木材加工場に勤めているという。今の指導員の長田さんが知り合いで、研修生のことを聞き応募した。「家に残ろうと以前から考えていたので、山関係の仕事に就くことになるだろうなと思っていました」と林業に関心があったそうだ。
ずっと陸上部で短距離をやっていたので体力的には自信があったという。研修には、お祖母さんが作ってくれたお弁当を持って出かけている。同じ研修生の松田さんは同級生。谷口さんより先に山仕事の手伝いを始めていたので、道具の使い方など細かいことをいろいろ教えてくれるという。「松田君が僕の師匠みたいなもんです」と笑って教えてくれた。夏に足長バチに刺されたが、腫れた程度で済んだという。今は木を伐るのが楽しく、将来は巨木を伐り倒せる匠を目指したいという。谷口さんが伐った木をお兄さんが材に加工して、それを使って大工のお父さんが家を建てる、なんて夢が実現するのもそう遠いことではないかもしれない。


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