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「緑の研修生」ニュース 新潟県篇
「緑の研修生」の声 新潟県篇

「緑の研修生」の声

急峻な地形の新潟の山林で研修に汗を流してきた「緑の研修生」の声をご紹介します。

作業風景本州の日本海沿岸のほぼ中央に位置する新潟県。
東部に朝日山地、飯豊山地、越後山脈が、西部に西頸城山地がそびえ、県土の3分の2が森林に覆われている。急峻な山々や冬期の積雪など厳しい自然環境の下で、「緑の研修生」は元気に技術習得に励んでいる。
梅雨空の下、新潟県のほぼ中央部にある五泉市を訪れ、研修生の声を取材した。



「緑の研修生」のビデオを観て林業に興味を持ちました。
東蒲原郡森林組合 江川和之さん(平成18年度 基本研修生)

江川和之さん 地元出身の江川さんの実家は、代々林業を営んでいる。
今もお父さんとお祖父さんが山で働いているそうだ。長男の和之さんは、お父さんからゆくゆくは跡を継いで欲しいと言われていた。
高校卒業後、とりあえず基本的な技術を身につけようと林業就業前講習に参加し、そこで観た「緑の研修生」のビデオが大きな刺激になったという。
「それまでは、林業にあまり関心がなかったのですが、全国の若い人が森林の担い手を目指しがんばっている姿を観て、自分も興味を持つようになりました」と語る。そして、昨年6月に研修生になり、今は森林組合の作業員として働いている。
研修中のことを聞くと、「夏の暑さに何度もめげそうになりました。でも、すぐ辞めるのは嫌だったのでがんばりぬきました。下草刈りや除伐の後、きれいになった森林を見ると大きな達成感がわいてきます」とだんだん山仕事に魅力を感じるようになってきた。


林業は、地球環境のためにもやりがいのある仕事です。
中蒲みどり森林組合 中川雄一さん(平成18年度 基本研修生)

中川雄一さん 両親の趣味が山登りだったので、子供の頃から山に親しんでいた中川さん。自分の身体を使った仕事をしたくて、製造業から転職した。
「刈払機やチェーンソーは、頭の中でわかったつもりになっていても、いざ使うとまったく使えません。実践が大切だと感じました。でも、林業は自分に合っている仕事です」と力強く語る。
研修中は、夏の暑さがつらかったそうだ。「夏はハチの活動が活発になるので注意が必要でした。足場の悪いところでの作業が多いので気が抜けません」とのことだが一度、足を滑らせて下の沢まで転がり落ちたことがあるそうだ。幸いけが一つしなかったとのこと。
林業のやりがいは?と聞くと、「地球温暖化防止のCO2吸収対策源として森林の役割は重要です。林業は森林を守り育てる仕事、やりがいのある仕事だと思います」と思いを語ってくれた。


体力だけでは続かない。根気や根性がないとだめです。
中蒲みどり森林組合 井田与一さん(平成18年度 基本研修生)

井田与一さん 「若い頃は、ずっと千葉で鉄工業の仕事に就いていたんですよ」と語る井田さん。地元に帰ってきてからは、土木関係の仕事に就いていたが、近所の森林組合の人から「緑の雇用」のことを聞き、林業にチャレンジしてみようと思ったそうだ。
聞けば、お父さんも林業をやっていて、家には山林があり、子供の頃から山仕事の手伝いをしていて、興味はずっと持っていたそうだ。
研修のことを聞くと、「山の測量をやったんですが、山登りがきつかったですね。急斜面を登ったり下ったりするので足の親指のところに大きなタコができました」と笑ってみせた。
「林業は体力だけではだめですね。根気や根性がないと続かない仕事です。でも、汗をかいた後に、家で飲むお酒は格別ですよ」と山仕事にも大分慣れてきたようだ。
今の作業班でいちばんの大先輩は75歳とのこと。「大先輩の元気さを見習って、毎日がんばっています」とやる気は十分だ。



他の仕事では味わえない自然の醍醐味があります。
中蒲みどり森林組合 阿部司朗さん(平成18年度 基本研修生)

阿部司朗さん 地元のニット製造会社に勤めていた阿部さんだが、会社が倒産してしまい次の仕事を探していた。
実家は農家だが山も持っている。山仕事は子供の頃から経験があるそうだ。「緑の雇用」のことは森林組合から教えてもらったとのこと。
夏の暑さもつらかったが、冬の雪が積もった中での間伐も寒さが身にしみたそうだ。しかし、自然の素晴らしさは、今までの仕事では感じることができなかったものだという。
「晴れた日には山頂から日本海が見渡せることもあります。そんな中でお昼を食べるのは最高の気分ですよ。他の仕事では味わえないことですね。春にはウグイスの鳴き声も聞けるし、このあたりは一面カタクリの花が咲いていて、本当にきれいでしたよ」と目を細めてみせた。 

指導員の声

研修生の体調管理にいちばん気を遣っています。
中蒲みどり森林組合 桐生要一 さん

桐生要一 さん 中蒲みどり森林組合の研修生を指導しているのは林業歴20年の桐生さん。「研修生は、まだ山仕事に身体が慣れていないので、体調管理に気を遣っています」とのこと。気候・天候に応じて細かくアドバイスをしているそうだ。
「体力は個人差があるので、仕事を通じて徐々に体力をつけていけばいいと思います。林業はきつい仕事なので、山が好きな人でないと長続きしませんね。また、チームワークが大切。コミュニケーションがちゃんと取れる人でないと困ります。うちの研修生は、みんな山が好きでがんばっていますよ」と顔をほころばせた。

今後は、利用間伐を促進。その戦力として研修生に期待しています。
中蒲みどり森林組合 参事 柄沢 正 さん

柄沢 正 さん「当組合では、昨年から研修生を受け入れました。昨年は当初1名でしたが10月に追加募集をして合計3名。今年は、技術高度化研修が2名、基本研修が1名です」と語る柄沢さん。
「林業は技術習得に時間がかかります。緑の雇用は、初歩的な技術をマスターさせるためにはありがたい制度。ただ、冬期は雪で作業ができないので、研修期間がもっと長いといいですね」とも話す。
今後、組合では利用間伐のため機械化を進めていく方針だそうだ。「間伐材を出荷し、収支をプラスにできるようがんばっています。間伐ではチェーンソーや林業高性能機械を使った作業が主になるので、しっかりと技術を身につけた作業員が必要です。研修生には大いに期待しています」と語った。


マルユーの木がいい、といってくれるお客様の声を聞くと、苦労も吹き飛びます。
株式会社マルユー 森山和子さん

柄沢 正 さん一日中、BGMにモーツアルトが流れる製材工場でエネルギッシュに働いている森山和子さん。
製材の仕事の他に国有林の伐採から植林まで、男性顔負けの大活躍をしている。工場はお父さんの代からで、今はお兄さんが社長さんだ。
何故、モーツアルトの曲をかけているのかを聞くと、「人が気持ちいいものは、周りの森の木も気持ちがいいのでは?と思ってです。穏やかな気持ちで仕事ができます」と笑って答えた。
女性の身で、製材や伐採の仕事はきつくないですか?との質問には、「きついですね。軽いモノはない仕事ですから。でも、私は身体を動かすのが好きなんです。 いい製品ができて、お客さんが喜ぶ顔を見ると疲れも吹き飛びます」と答えてくれた。
仕事熱心な森山さんは、「森林整備工事専門技術者」の資格も取得した。「伐採木は、自然のままの葉枯らし乾燥にしています。乾燥機に入れたものより色がいいと喜ばれています。きれいなピンク色の木肌をしたスギ材ができると大きな喜びを感じます」と目を輝かせていた。



「秋植え」と「段切り」。雪国ならではの山の仕事。

植付けは春(3月頃)に行うのが一般的だが、新潟のような豪雪地帯では秋に行う「秋植え」がほとんどだという。

11月から12月の雪が降る前までに行う。春は、まだ山に雪が残っているため植付けに適さないそうだ。

写真:間伐の様子

また、雪が解ける4月過ぎに植えると、1ヵ月ほど乾燥期が入るので根付きが悪いらしい。どうしても春植えをする場合は、梅雨まで待って植えるという。地元では「梅雨植え」と呼んでいる。
地拵えも「段切り」と言って、斜面を階段状に整地して、そこに苗を植え付ける雪国独特のものがある。雪によって苗が押し流されてしまうのを防ぐためだ。雪崩防止の意味もある。段切りの土留めには間伐材を利用している。もともとは森林組合が作業歩道の階段用に開発した部材とのことだ。
雪解け後には、雪によって倒れた幼齢木を起こし、縄などで固定し垂直に育つようにする「雪起こし」の作業を行う。




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