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「緑の研修生」ニュース 大分県篇

大分県のトピックス

高橋文子さん 特用林産物「乾シイタケ」を使った大分の新名物「雪ん子寿し」。

乾シイタケ生産量日本一を誇る大分県は、シイタケ栽培の発祥地。大相撲優勝力士には、大分県賞の副賞として「乾シイタケ」1年分が贈られている。

この乾シイタケを使ったユニークな名物があると聞き、研修生たちに教えてもらった。その名物が、「雪ん子寿し」。大分県下の「道の駅やよい」やJRキヨスクなどで好評発売中。本匠村の高橋文子さんが考案し、第14回きのこ料理コンクール全国大会に出品し見事、最優秀賞と林野庁長官賞を受賞した逸品だ。

雪ん子寿し

寿司飯の上には薄味で煮付け三杯酢をくぐらせた乾シイタケと、やはり三杯酢をくぐらせたダイコンが載せてあり、寿司飯の下には大葉が敷いてある。ダイコンを雪に見立て、ホダ場のシイタケの上にうっすらと雪が積もるのをイメージしたという。

乾シイタケの味と甘酸っぱいダイコンの味が寿司飯によく調和し、大葉の香りが食欲をそそる。

受賞をきっかけに、高橋さんたちは、国の林業育成事業資金を受け「雪ん子工房」を設立。高橋さんが代表を務める「生活改善グループ愛の里工房」の15名のメンバーがローテーションを組んで働いている。また乾シイタケを使った新しいレシピ開発も続けていて、キノコ炊き込みご飯やお酒のおつまみ用にシイタケの柄の部分を佃煮にしたものなどを考案している。

◎本匠村生活改善 愛の里工房 Tel.0972-56-5417



竹楽 古都を幻想的に彩る竹灯篭。使用後は竹炭に加工し有効活用。

古くから建築材料や調度品、日用雑貨品に使われてきた竹は、大分の特産物の一つ。

しかし近年、竹の需要が減り、それに伴い竹林の荒廃が進んでいる。これを改善しようとするユニークな試みが臼杵市、竹田市で実施されている。

臼杵市では、1997年よりボランティアの手によって切り出された竹を灯篭に加工し、歴史の街をライトアップする「うすき竹宵」(11月)が開催されている。晩秋の夜、約2万本の竹ぼんぼりが歴史の街を照らし出し、見る人々を幻想的な世界へと誘う。

また、竹田市でも「たけたけ竹灯篭 竹楽」(11月)が開催され、武家屋敷が点在する歴史の道界隈を美しく彩り、晩秋の竹田市の新しい風物詩となり人気を呼んでいる。どちらも使われた竹灯篭は、使用後竹炭にして有効活用されている。

◎うすき竹宵 臼杵市商工観光課 Tel.0972-63-1111
◎たけたけ竹灯篭 竹楽 竹田市観光協会 Tel.0974-63-2638

 

指導員・受け入れ側の声

研修生はみんなダイヤの原石。将来の林業を担う人間に育って欲しい。
宇佐地区森林組合・森林施業計画推進課主任 衛藤 文司さん

衛藤 文司さん

衛藤さんは、森林組合に入って4年目だが、その前にずっと役場で林道の設計をしていた。 仕事を発注する側と受ける側の両方の気持ちがわかるという。 現在、宇佐地区森林組合には4名の研修生がいて、2名の指導員がつき指導している。
「みんなダイヤの原石ですからね。この1年間でできるだけのことを覚えてもらい、将来の林業を担う人間に育って欲しいと思っています」と研修生への思いを語ってくれた。
今年の研修生の印象をお聞きすると「第1期から見ていますが、今年はやる気も素質もいちばんいいと自分では感じています」と太鼓判を押してくれた。
研修にあたっていちばん気をつけているのは安全のこと。「まずは安全でケガがないことを一番に考えています。もう少し成長するに従って品質やコストなどトータルに考えて作業ができるようになって欲しいと思っています」。
宇佐地区森林組合では研修終了後は、本人の希望等により森林整備センターの臨時職員を1年間務め、そこで適性を判断し、よければそのまま正規職員になってもらうという。
「作業班の高齢化が進み、若返りは緊急課題、全員がこのまま残って林業を続けて欲しい」と研修生たちへの期待は大きい。




適材適所、それぞれの長所を活かした指導を心がけています。
佐伯広域森林組合・生産販売課長 佐藤 誠さん

佐藤 誠さん

佐藤さんは、10月に異動して緑の雇用の担当になったばかり。それまでは製材工場の工場長をしていた。
「若い人から第2の職場をめざすベテランの人まで研修生の年代に大分開きがありますが、みんな一生懸命やっています。若い人は、製材工場のコンピュータなどもすぐ覚えて使いこなせます。一方でベテランは山仕事の慣れが早い。それぞれ長所を生かした指導を心がけています」。
指導の上でいちばん気をつけていることは、やはりケガのこと。年齢の差もあるので特に安全には気を遣っているそうだ。
研修は、官公林の森林整備を中心にやっている。「このあたりでは樹種は、ほとんど飫肥スギですね。その次が綾スギ。大分でもヒノキが多い地域もあります。同じスギでも樹種によって柱にしたり板にしたり目的が違います」。
1年の研修が終わると研修生の適性に応じて森林整備センターや製材工場に振り分けるという。




地域の森林を守り育てていくには、若い後継者が不可欠。
佐伯広域森林組合 参事 山田幸子さん

山田幸子さん

18歳から森林組合で働いてきたという山田さんは、大分県初の女性参事。県内でいちばん大きい地域の森林組合を取りまとめている、職員の代表である。
「緑の雇用事業は、始まる前からあればいいなと思っていました。地域の森林を守り育てていくには、若い後継者が不可欠ですから・・・」という。
そして、「うちの組合には森林整備センターやプレカット工場、乾燥工場などがありますから、研修後の働き場所が多いんです。山で働くことに向いている人、工場が合っている人、と向き不向きがありますが、それを考えてあげられます」と話す。
また、山田参事は県内の林業の職場で働く女性の会「山桜の会」の会長も務めている。県庁や森林組合の女性50人の会員がいて、講師を招いて話を聞いたり、林業体験を行い、女性の意識向上に努めているとのこと。
会員の中には係長になった人や臨時から正職員になった人など、女性の地位向上にも役立っているようだ。森林や林業への愛着と、その行動力に拍手を送りたい。

 

がんばれ、「緑の研修生」!

本人が、気持ちよく仕事できるのがいちばん。ケガだけには気をつけて
安藤敬亮さん (大野郡森林組合)の応援団 首藤 文江さん

首藤 文江さん

大野郡森林組合にお勤めの文江さんは、安藤敬亮さんの恋人。
実は、「緑の雇用」を安藤さんに勧めたのは文江さんだったという。知り合ったのは3年前で、安藤さんはシステムエンジニアとして働いていたが、事情があって仕事を辞めてしまった。
「彼が仕事を辞めたときに、こういうのがあるけど、どうかな?って軽い気持ちで勧めてみました。そうしたら本人が興味を示して、やってみたいというので、じゃあやってみればって」。
仕事柄、森林の仕事のつらさや危険も十分に知っている文江さん。勧めてはみたものの最初は少し不安だったという。
「森林の仕事は、匠の仕事。生半可な気持ちでは真似ができません。危険も伴うし、暑い日も寒い日も現場に出なければいけない。でも今は、本人がとても楽しそうに仕事に行くので勧めてよかったと思っています。前の仕事の方が、才能的には彼に向いているのかもしれないけど、人間関係も含めて今の仕事の方が本人のためにいいみたいです。身体はキツイけど毎日楽しくて、ご飯がおいしく食べられるそうです」。
そんな文江さんがいちばん心配なのは、やはりケガのこと。「小さなひっかきキズはしょっちゅう。とにかくケガにだけは、気をつけてほしいと思います」。




山が元気にならないと水もきれいにならない。たいへんな仕事だと思うけどがんばって!
安藤一生さん (佐伯広域森林組合)の応援団 安藤 恵美子さん

安藤 恵美子さん

恵美子さんは、安藤一生さんの奥様。安藤さんは、早期退職後に研修生にチャレンジ。サラリーマンから山の仕事へ180度の方向転換だ。最初に研修生になると聞いたときは驚いたが、第二の人生なのでしたいことをして欲しいと思ったそうだ。
「主人の父も営林署にいたので林業の大切さも大変さもわかっていました。主人の父は、こんな歳になってそんな危ないことをするな、と心配していましたが、私は、本人がしたいなら、がんばってみればいいんじゃない、という気持ちでした」。
安藤さんのお宅は兼業農家で米作りをしている。恵美子さんは、収穫した玄米でお餅やあられを作り観光客向けにお店に出したり、ご自宅で予約制の玄米定食も出したりしている。焼酎造りも一生さんと一緒にやっているという。「正直に言うと、退職後はこちらを手伝って欲しいという気持ちがありました。でも、山も大事なんで、誰かがやらなきゃならないですよね」。
研修生になってからのご主人の様子を聞いてみると、「若いときから力仕事はしたことがないので、最初は体力的にきつかったようです。家に帰ってきてもバタンキュー(笑)。最近、少し余裕が出てきたみたいです」と答えてくれた。
食事は、なるべく野菜を多く取るようにし、お弁当にときどき玄米ご飯を入れて健康管理に気を遣っているという。
「今は山の仕事の大変さを実感できるので、この歳で大丈夫かなと心配。でも、山が元気にならないと、水もきれいにならない。自然環境を守っていく仕事に携わるっていうのは大変だけど、大切なこと、がんばって欲しいと思っています」。



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