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「緑の研修生」ニュース 大分県篇
大分県篇


県土の7割が森林の大分県。
大分の森林の担い手を目指して汗を流す研修生たちの声をお届けします。


山は大切なもの。その仕事ができるのは充実感がある。
松井 徳之さん 臼津関森林組合

松井 徳之 さん 松井さんは、知人に森林組合員がいて、その人から「緑の雇用」があることを聞いた。もともとゴルフ場のコース整備の仕事をしていて、刈払機やチェーンソーを使った経験があったので、まったく新しい仕事より経験を生かせる仕事の方がいいと思ったそうだ。実際に研修を受けてみて「ゴルフ場は、平坦な場所での作業だけど研修では急斜面で作業を行うので危険な作業だなと感じました」と語る。怖かったことはスズメバチに遭遇したこと。「そのまま身をかがめるようにして、下の方に転げるように10mぐらい降りて、どうにか刺されずに済みました。立ち上がって走ったりしなかったのが幸いしたようです」と体験を語ってくれた。
「山の仕事はやってみて楽しいし充実感もあります。夏場の暑いときでも山の中は気持ちがいい。弁当を食べながら小鳥の声を聞くのはいいもんです。休日がしっかりしているので家の農作業も手伝いやすいですね」。研修終了まで後少し、これからの進路のことを真剣に考えているという。


夢は、木を伐る技術を競う全国大会で優勝することです。
甲斐 洋平さん 臼津関森林組合

甲斐 洋平さん 今回の研修生では最年少の19歳。高校を卒業して、すぐに緊急雇用を受け、6月から研修生になった。母方のお祖父さんが山を持っていて、小さい頃から山の仕事に興味があったという。「子供の頃、じいちゃんの山でいたずらで木を伐って、それが楽しかったです」と笑って答えてくれた。お父さんはサラリーマンで、研修生になって両親とも、喜んでくれたという。今は、間伐の研修が多い。体力的にはつらいけど、精神的にはつらくなく、むしろおもしろいという。研修が終わっても山の仕事を続けていきたいという甲斐さんには大きな夢がある。「木を伐る技術を競う全国大会があるんです。それに出て優勝するのが僕の夢です」と力強く答える。木を伐るのは大好きだが、風でどちらに倒れるかわからないこともあり、気をつけているとのこと。毎日、お母さんが作ってくれるお弁当を食べて研修にはげんでいる。


山を大事にしたい。人間が生きていくために必要だから。
安藤 一生さん 佐伯広域森林組合

安藤 一生さん サラリーマンを早期退職して、森林の担い手をめざした安藤さん。「前の仕事は、海の魚の餌などを扱う飼料会社。山とは無関係でした」と笑って答える。お父さんが営林署に勤めていたので、山の仕事は身近に感じていたという。
「いま山が荒廃しています。地球温暖化防止のためには、山の木がいちばん大事。これからの自分の一生を、山を守ることに捧げたいと思いました」と緑の研修生になるきっかけを語ってくれた。しかし、最初は家族の反対にあったそうだ。今年、ご他界されたお父さんからは「いい歳をしてそんな危ないことはするな」と言われたそうだが、安藤さんの決意は固く、去年の11月から2月まで森林組合で緊急雇用の仕事に就き、6月から晴れて「緑の研修生」になった。研修生になりたての頃は、山の勾配がきつく感じ、足もキズだらけだったが今では体力的にも自信がつき、気持ちにもゆとりが出てきたという。「山は人間が生きていくために必要なもの。本当に心をこめて手入れしていかないと。学校で山の大切さをもっと教えるべきだと思います。子供たちに森のよさを体験させてあげたい。また、山の仕事も若い人たちがもっと変えていかないとだめですね。昔ながらのやり方では限界がある。まだまだ改善の余地があると思います。そうすれば山の荒廃も止まるはず」と熱く未来の抱負を語ってくれた。


これからの若い人たちに自分の技術を教えていきたい。
和田 進さん 佐伯広域森林組合

和田 進さん 和田さんは、長年勤めた紡績会社を退職後、他の仕事に就く傍らお父さんの手伝いで持ち山の手入れをしていて山の仕事に興味を持った。研修生になったきっかけは、自分の技術を確かなものにし若い人たちを指導できるようになりたいからだという。「若い人たちに指導するために研修生になって一から覚え直そうと思いました」と力強く語る。
研修で印象に残ったことを聞いてみると「最初は、研修生全員が集まり安全講習を受けました。玖珠で風倒木処理の実地研修もやりました。後は製材所を見学したり、湯布院で重機の取り扱いや試乗体験をしたりしました」とすらすらと答えてくれた。
身体はきつくないですか?とたずねると「山に来るのが楽しみで、身体もきつくありません。四季を感じながら仕事ができるのは山だけ、デスクに座ってやる仕事では季節感がわかりませんからね」と笑顔で答えた。。
研修を終えたら、組合に残り後輩たちを教える立場に立ちたいという和田さん。和田さんが、若人を指導する日も遠くないのではないだろうか。


システムエンジニアからの転職。今では山仕事が天職だと
安藤 敬亮さん 大野郡森林組合

安藤 敬亮さん 大学を出てから、大分市でシステムエンジニアの仕事に就いていた安藤さん。前の職場を辞めることになって仕事を探していたところ森林組合に勤めている彼女が「緑の雇用 」のことを教えてくれたのがきっかけだった。「山が多いところなので林業には少なからず興味がありました。しかし、まさか自分がやることになるとは思いませんでした」。
身内や周囲にも林業をしている人はいなかっ たので「最初は、とまどうことばかりでした。林業についてまったく初心者だったので、相手が言っている用語の意味もわからなく、あたふたするばかりでした」と当時を振 り返る。最初の1カ月は毎日シップをして、正直辞めたいと思っていたそうだ。しかし今では身体も馴れ、余裕がでてきて毎日が楽しくてしかたないという。「空気がきれい だし、晴れた日は見晴らしがよくて気持ちいいですね。夏がハードだったので、そのとき一気に体重が5kgぐらい落ちました。前職では仕事の時間が不規則で休みの日でも 呼び出されることもよくあったのですが、今は規則正しい生活です。
山の仕事に目覚めてしまい、天職という気がします」と明るく答える。また、最近では環境のことも考え るようになったという「地球環境を守る仕事の一端を担っているのかと思うと大きなやりがいを感じますね」と誇らしげに語ってくれた。


山がきれいになったのを見るのが気持ちいいです。
赤嶺 瑟星さん 大野郡森林組合

赤嶺 瑟星さん 高校を出てから海上自衛隊に入った赤嶺さんだが、どうしても海に馴染むことができず、それなら山育ちなので山で働こうと思ったという。たまたま、お父さんの友人が森林 組合にいて「緑の雇用」のことを聞き、興味を持ったそうだ。「山で育ったので、居心地はいいですね。チェーンソーで除伐や間伐をしたり、刈払機で下草を刈ったりするの が好きです。終わった後できれいになった山を見ると気持ちがいいです」と森林の仕事の魅力を語ってくれた。赤嶺さんの家は兼業農家で、お祖父さんが山仕事をしていて 供の頃よく手伝いに連れて行かれたという。お祖父さんは、研修生になったことをとても喜んでくれ、思わぬ孝行をすることができたそうだ。大野郡森林組合には5人の研修生がいて、研修生OBもそのまま組合で働いている。みんな仲が良く、研修生とOBとで一緒に飲みに行くのが楽しいという。研修でつらかったことを聞くと天候の変化をもろに受けることと答えてくれた。春になって研修が終わったら、今の組合でそのまま働きたいと希望に燃えている。最後に彼女は?と聞くと「今はまだいません。忙しくてとてもできないですね」と笑って答えた。


親父の跡を継いで森林のプロになりたい。
山村 茂さん 宇佐地区森林組合

山村 茂さん 山村さんは、土木関係の会社を辞めてから森林組合の作業班で班長をしているお父さんの手伝いをするうちに林業に興味を持った。最初はアルバイトがてらだったが、だんだん面白くなって、自然に跡を継ごうと考え始めたという。林業のどんなところが面白いのかを聞くと「山がきれいになっていくのを見るのが好きなんです。草刈りでも除伐や枝打ちでも自分が通った跡がきれいになっていく。やったのが目に見えてわかる。そういうのがいいですね」。
今やっている研修について聞くと「ヒノキの枝打ち作業が多いですね。はしごで登ってノコギリを使って枝打ちします」と答えてくれた。研修では、夏の暑さが予想以上だったという。「下草刈りは木が小さくて日陰がないところでやるので暑かったです。毎日、水を3リッターぐらい持って行きました」。宇佐地区森林組合では2人に1人指導員がついて親切に教えてくれるそうだ。家に帰ると、お父さんとたまに山のことも話すようになったそうだ。道具の手入れも今まではお父さん任せだったが今では自分で手入れするようになった。もともと土木の仕事をしていたので重機の免許も持っている山村さん。
ゆくゆくはその経験も活かし、お父さんに負けない森林の仕事のプロになりたいという。


子供と遊べる時間も増えた。ずっと山の仕事を続けたい。
梢 哲郎さん  宇佐地区森林組合

梢 哲郎さん プリンタの部品製造工場に勤めていた梢さん。ずっと外でいい空気を吸いながら働きたいと思っていたそうだ。弟さんが森林組合にいて「緑の雇用」を教えてくれたのが、研修生になるきっかけ。山の仕事の感想を聞くと「工場にいたときとは違って、時間が経つのがいい意味で早いですね。暑さ、寒さはありますが、それほどきつくはないです」。研修では春から夏に下草刈り、今は間伐と枝打ち、林道整備をしているという。道がないところに道を造る林道整備もやっていて気持ちがいいという。山村さんには小2と4歳の女の子と1歳の男の子がいる。
研修生になることは奥さんも賛成してくれたそうだ。「工場は12時間勤務でした。今は土日が休みだし規則正しく仕事が終わるので子供と遊ぶ時間が増えました」とうれしそう。「山の仕事は、いつも危ないと思ってやっています。今年の夏はハチが多かったです。足長バチに刺されました。先輩がスズメバチの巣がありそうな場所を教えてくれて、そういう場所では注意して作業しました」。宇佐地区は大分の北部。温暖な大分だが宇佐の近くの日田や玖珠では山にはいると雪がすごいそうだ。最後に研修後のことを聞くと「ずっと続けていきたいです」と力強く答えてくれた。


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