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「緑の雇用」総合ウェブサイト |
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幾重にも連なる峰々、深い緑、渓流に映える木々。神々の山として崇められてきた、豊かな熊野の大自然が目の前に広がっている。山地が多く温暖で雨量の多い和歌山県は、県土の77%が森林に覆われている、まさに木の国である。紀伊山地は昔から良材の産地として知られ、江戸や上方に木材を出荷していた。豊臣秀吉は大阪城の建築材に、徳川家康は江戸城の修築に熊野の木材を利用している。往時から、木は紀の国の重要な資源であり、それがいまにつながっているといえるだろう。和歌山県の人工林の蓄積は全国屈指の資源量を有し、そのうちでもヒノキは全国1位を誇っている。県ではこの豊かな森林資源を守るため、「緑の雇用」事業を積極的に進め、環境林の保全などに取り組んでいる。ちなみに「緑の雇用」は和歌山県が提唱・推進し、国の政策に取り入れられた事業。それだけに取り組みも充実しており、緊急雇用対策で最長1年間、緑の雇用担い手育成対策で1年間、さらに和歌山県独自の制度として環境林整備で1年間、合計3年間に及ぶ技術習得、自立への期間が設けられている。そのため、和歌山県に移り住んだ人も多く、この事業でのIターン、Uターン者は3年間で329人にものぼり、家族も含めると500人を超える。県は、定住促進住宅の提供などによりバックアップし、森林の担い手の確保や若返り、林業の活性化、過疎に悩む地域の活性化を図っている。 |
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| さすが、「緑の雇用」の提案県だけに、実に多くの研修生がプロの森林の担い手をめざして働いている。平成16年度の人数は177名にもなり、平均年齢も38.5歳と若く、女性も4人含まれている。そのほとんどが、前年に緊急雇用として1年間の経験を持っており、さらなる技術習得をめざしてがんばっている人たちだ。この6月には県内2カ所(紀北、紀南)で8日間の基礎研修が行われ、森林の役割をはじめ林業の意義や作業内容を学んだほか、チェーンソーなどの実技訓練も実施された。また、7・8月には専門研修の一環として、小型移動式クレーン運転技能、玉掛技能(材木などをクレーンで吊り上げる際の吊り方など)の講習が数班に分かれてそれぞれ3日間ずつ行われ、研修生全員が技能を修得。操作の資格を身につけたという。これにより、林業の現場での集材作業の時など、研修生がクレーン操作を行えることとなる。ここにも、森林の担い手として早く一人前になってほしいという想いと、それに向けての手厚いサポート体制が見える。 |
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| 今年の7月、「紀伊山地の霊場と参詣道」が新たに世界遺産に登録された。紀伊半島は標高1,000メートル級の山々が縦横に走る山岳地帯で、「紀伊山地」といわれる。そこは神話の時代から神々の宿る特別な地域と考えられ、仏教が伝来して以降は仏、菩薩の浄土にもたとえられ、山岳修行の舞台ともなった。北の「高野山」は真言密教の霊場であり、「吉野、大峯」は山岳宗教である修験道の霊場、そして南には自然崇拝を起源とする神道の霊場「熊野三山」がある。また、それぞれの山に参詣道や修験の道があり、いまでも往時の面影を残す古道として知られる。ここは、都をはじめ全国から人々が訪れ、日本の宗教、文化の発展に大きく寄与した地である。紀伊山地の自然がなければ成りたたなかった山岳霊場と参詣道。その文化的景観は世界でも類を見ない資産として価値が高く、世界遺産に認められた理由もそこにある。この貴重な財産を何代にもわたって守っていくためには、山々の自然を良好な状態で維持していかなければならない。和歌山県がいま、「緑の雇用」事業の一環として進めている環境林整備の意義もここにあるといえる。 |
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| 和歌山県が生んだ博学者、南方熊楠(みなかたくまぐす)。アメリカ、イギリスで学び、明治から昭和の初めにかけ、世界を舞台に博物学から民俗学まで多分野で活躍した。粘菌(変形菌)の研究者として知られるが、実はキノコの研究にも没頭していた。熊楠が新種としたキノコは1千以上だが、未発表のため学問的には無効で、後に別の研究者が発表した新種も含まれているという。ほかにも植物やコケ類、昆虫などの標本も残しており、その好奇心は止まることを知らない。また、明治政府が進めようとした神社合祀(神社を1町村1社に統合)により、鎮守の森が伐採されることに反対し、訴えた。「合祀は天然風景と天然記念物を滅亡す」との原稿を著し、有力者や関係者に働きかけた。このころすでにイコロジー(エコロジー)という言葉を用い、自然保護を呼びかけている。ただ、彼の自然保護の考えは、森と神社とそれを支える里の伝統、文化を守ろうとした民俗学的な発想もあった。熊野古道の名所となっている、南向きだけに枝を伸ばした「野中の一方杉」や高原熊野神社のクスの巨木などは、熊楠の訴えによって残ったといえる。「紀伊山地の霊場と参詣道」は自然遺産ではなく文化遺産としての世界遺産登録だが、熊楠の想いもまさにそこにあったといえよう。 |
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| 自然の中でのんびり過ごしたい、農業や林業を体験してみたい、そんな都会の人たちの想いに応えたい。和歌山県はいま、地元の人たちと都会の人たちの交流を進め、こころの結びつきを深める「新ふるさと創り」を実施している。学校同士の交流をはじめ自治体同士、企業との交流などが和歌山の自然を舞台に展開されている。たとえば、子どもたちの自然体験もそのひとつで、初めて和歌山にきた子どもたちがザリガニ釣りをしたり、川遊びや星空観察をしたり、地域の人と交流することで、和歌山を第2のふるさとと感じてもらうもの。事実、参加した子どもたちは、和歌山を身近に感じ、親近感を持つようだ。そのほか、各地の特長を生かした体験型観光も行われている。漁師と一緒に漁を体験したり、山の中で間伐作業や炭焼きをしたり、農家の人とともに働いたりする新しいかたちの観光だ。また、和歌山県では、Iターン、Uターンによる定住も勧めており、住環境の整備、雇用や就業の機会の創出にも取り組んでいる。ふるさと定住センターでは、和歌山県内に定住を考えている人や興味を持っている人のために、山村体験研修を実施。1日、2泊3日、4泊5日コースが用意されている。「緑の雇用」を積極的に進めていることも、多くの人の定住に結びついている。 |
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| CO2を吸収し、空気をきれいにする。水を浄化し、水源にもなる。土砂の流出を抑え、災害を防ぐ。癒しの場になる。などなど、私たちの暮らしにいろいろ役立っている森林。その環境保全に、企業や労働組合、大学などに参加してもらおうと、和歌山県はいま「企業の森」づくりを進めている。これは、県内の森林を賃貸、また保有して、保全活動やレクリエーションの場として利用してもらう仕組み。これまでユニチカ労働組合をはじめ、関西電力労働組合、大阪ガスなどがこの事業に参加し、植林や下草刈りなどを実施したほか、椎茸栽培の原木づくりや備長炭の炭焼体験などを行っている。森の中で汗を流すことがレクリエーションとなり、従業員や家族の親睦にもつながり、地元の人との交流も生まれている。「紀伊山地の霊場と参詣道」が世界遺産になったこともあって、貴重な森林を守っていこうという多くの人の想いが、この「企業の森」にも追い風となっているようだ。 |
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| 江戸時代、紀州で生産される備長炭は、紀州みかんより有名だったという。材料となる木は、和歌山県の県木でもあるウバメガシ。これを備長窯という炭窯で焼き、“ねらし”をかける。ねらしとは、窯のなかで炭化された炭に、窯口を徐々にあけて空気を送り込み、真っ赤に燃えさせて、さらに炭化をかけること。そのとき、窯の中の温度は千度を超えるという。こうしてねらしをかけた炭を徐々に窯の外に掻き出し、灰と土をまぜた素灰をかけて消す。そのために、炭が白っぽく見え、これを白炭という。この製炭方法は、和歌山県無形民族文化財として指定されており、固く良質な白炭は世界一の品質といわれ、料理の加熱、焼き物には最適の燃料である。紀州備長炭の伝統技術は、紀南地方(日高、西牟婁、東牟婁)で受け継がれ、生産されている。いまでは、山村暮らしと備長炭づくりにあこがれ、製炭士をめざす若者も多いという。 |
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| 全国一のヒノキの蓄積をはじめ、和歌山県は豊富な森林資源を有する県。この資源を有効に利用しなければ、林業の発展は図れない。森林の整備を入り口にたとえるなら、木材の需要拡大は出口といえる。つまり、紀州材が利用されればされるほど、和歌山県の森林整備の力になり、「緑の雇用」事業の推進や地域経済を回転させることにつながるわけだ。そこで県では、もっと地元の木を地元で使おう、と運動。学校、図書館、集会場などの公共施設をはじめ、定住促進住宅などにも地元の紀州材を生かしている。また、土木工事などの公共工事にも間伐材などを活用。防護柵やガードレール、治山のための木製ブロック、公園のベンチや遊具など、積極的に地元材を用いている。また、全国基準値を遙かに上回る強い曲げ強度、込んでいる年輪、色・つや・香りのよさなどの紀州材の特性を、地元だけでなく全国に向けてPRもしている。 |
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