ringyou.net 「緑の雇用」総合ウェブサイト
「緑の研修生」ニュース 和歌山県篇
「緑の研修生」の声

「緑の研修生」の声

山深い熊野で“美しい森林づくり”に励んでいる「緑の研修生」の声をお届けします。

古くから良材の産地として知られる和歌山県。かつては“紀州木の国”と呼ばれていた。県土の約77%が森林で、渓谷・清流・温泉など豊か自然資源に恵まれている。
2004年には「紀伊山地の霊場と参詣道」、いわゆる“熊野古道”が世界遺産に登録されている。この和歌山・熊野の地で、伝統ある林業の後継者となるために山仕事に汗を流している研修生たちの声を聞いた。



山で働きたくて、山形から和歌山へIターン。
有限会社 原見林業 庄司さとみさん(平成18年度 技術高度化研修生)

庄司さとみさん 神奈川の大学を卒業後、故郷の山形に戻り事務職の仕事に就いていた庄司さん。「大学では森林関係の勉強をしていたので、事務の仕事をしながら森林ボランティアをしていました。事務職よりも山で働いている方が自分に合っていると思い転職を決意しました」と語る。
平成17年の森林の仕事ガイダンス東京会場へ参加し、和歌山県のブースへ相談にいったのが研修生になるきっかけになった。故郷から遠く離れた土地に行くことよりも、山で働ける喜びの方が大きく、Iターンはまったく気にならなかったそうだ。「最初は言葉の違いに苦労しました。でも今は、地域のお祭りにも参加し、御神輿を担がせてもらったりしています」と和歌山が第二の故郷になりつつある。今年から和歌山県の女性林業研究会のメンバーにも加わった。
「将来のことは、まだはっきり考えることができません。今は技術を身につけ、早く一人前になることを考えています」と笑顔にも自信がみなぎっていた。


身体を動かしているのが楽しいんです。
有限会社 原見林業 田村修平さん(平成18年度 基本研修生)

田村修平さん 神奈川出身の田村さんは、大学で経済学を勉強していて、林業とはまったく無縁だった。
「何となく興味を持って、ちょうど和歌山で開かれた林業就業支援講習に参加してみたんです。そこで、林業の面白さに目覚めてしまいました」と快活に答える。
そのとき講師をしていた今の会社の社長を質問攻めにしたそうだ。社長から「そんなに興味があるなら一度、うちに来い」と言われ、そのまま入社することになったという。
「何も知らなかったので、見るもの聞くものがすべて面白く映ったのかもしれません。仕事はきつくない、と言ったら嘘になります。でも、きついのも楽しさだと思うようにしています。きつい仕事をやり終えたときの達成感は他では味わえません。今は必死にやっているだけ。いつか社長と肩を並べられるような職人になるのが夢です」と目を輝かせる。
和歌山に来て、1年が過ぎ、地元の友人もできたそうだ。休みには草野球のチームに入って汗を流している。


和歌山に住みたいと思ったのが林業就業のきっかけでした。
中辺路町森林組合 星田洋介さん(平成18年度 基本研修生)

星田洋介さん 大阪で会社員をしていた星田さんは、釣りが趣味で、よく和歌山に来ていたという。研修生になったのも、「和歌山で暮らしたい」と思ったのがきっかけだった。
「和歌山県のホームページで緑の雇用のことを知ったんです。面白そうだなと思い、すぐに電話をかけて合同面談会に参加しました」という。林業のことはまったく知らなかったが、実際にやってみてとまどったことはないという。
奥さんも和歌山へのIターンを賛成してくれたそうだ。「僕より奥さんの方が、土地に馴染んでいるかもしれません」と笑顔を見せる。
「今は、林内の歩道づけの仕事をしています。クワで掘って、斜面が急なところは階段をつけます。楽しかったのは春先にやった植え付けですね。逆につらかったのは地ごしらえです」と様々な仕事を体験し、林業の面白さがわかりかけてきたという。「まだ知らないことばかりなので、いろんな仕事を経験したいですね」と欲も出てきた。



将来は子供たちに森林の素晴らしさを教えていきたい。
中辺路町森林組合 吉田昌樹さん(平成18年度 基本研修生)

吉田昌樹さん 吉田さんの実家は神戸でケーキ屋さんを営んでいる。「ケーキづくりよりも身体を動かして働く方が好きなんで」という吉田さんは、市の自然施設で夏の間だけ指導員などをしていた。
たまたま聞いていたラジオで、森林の仕事ガイダンスが大阪で開催されていることを知り、興味を持ち参加してみた。そこで、緑の雇用のことを知り、やってみようと思ったという。「実際に研修生になってみると、想像とは大分違いました。でも、1年間でいろいろな仕事を経験でき、興味もわいてきました。自分としては、森林を増やしていく造林の仕事が好きですね」と語る。
「キャンプインストラクターの資格を持っているので、将来は子供たちに森林の素晴らしさを教えるような活動もしてみたいです。森林インストラクターの資格も取りたいと思っています」と抱負を語ってくれた。 

指導員の声

ちゃんとした服装と健康管理が大切です。
中辺路町森林組合 指導員 班長 鈴原芳次さん

鈴原芳次さん 鈴原さんは、林業歴40年という大ベテラン。主に地ごしらえや植え付け、下草刈りなどの造林作業の指導を専門にしている。
研修生は平成15年からずっと面倒をみているそうだ。指導で心がけていることは?と聞くと「服装をきちっとすることですね」と答えた。だらしない服装は、気のゆるみや事故につながり危険だとのこと。いつもきちっとした服装で気を引き締めることが大切だそうだ。
「後は、健康管理。身体が欲しいと思うものを我慢せずに食べるのが大事です」と語る。どんな人が林業に向いてますか?と聞くと「最低限の体力があること。あとは本人のやる気しだいです。最初は、慣れていないから機械に使われる。機械を使うようになったら一人前です」と答えてくれた。
鈴原さんは、鮎釣りの名人。釣りの教えを乞う研修生も多いそうだ。


材を売って、森林を守る。経済活動としての林業をめざしています。
美山村森林組合 組合長 寒川(そうがわ)歳子 さん

寒川歳子 さん旧美山村(現在は市町村合併により日高川町)は、平成7年からグリーンキーパー制度という独自の林業の後継者づくりを行ってきました。当時は、村営の定住用住宅を用意してIターン者を迎え入れていました。今では県が緑の雇用住宅を用意してくれています。
平成20年に中津村森林組合と川辺町森林組合との合併が予定されていることもあり、平成19年度の採用は未定です。
平成18年度は5名の技術高度化研修生がいました。美山村森林組合の作業班の中核はIターン者です。
今までは森林整備を中心にしてきましたが、これからは、材を売って、森林を守っていく、経済活動としての林業をめざします。そのためには作業班のレベルアップが必要です。
研修生の班では、同じIターン者ということでグリーンキーパー出身者を班長にしてきましたが、その上に森林組合OBのベテラン作業員(匠)を指導者としてつける独自のシステムを開発し、若い人がベテランの高い技術を継承できるように配慮しています。

緑の雇用のおかげで子供たちが増え、村に活気が戻ってきました。
 寒川第一小学校教諭 高尾光子 さん
高尾光子 さん   寒川第一小学校は、全校生徒が16名。高尾先生は、
1・2年生合同のクラスを受け持っている。
「以前は、もっと生徒が少なかったのですが、緑の雇用で村に定着した人のお子さんたちが入学してくるようになり、生徒数は増加しているんです。私のクラスの7名のうち3名がグリーンキーパーや緑の研修生OBのお子さんです」と語る。
「地元に生まれた子は、意外と山のよさがわからないんです。ですから、なるべく一緒に山歩きをして、山の大切さ、美しさを教えるようにしています。最初は都会から来た人が定着するかしらと疑問視していた村の人も、今では考えを改めています。地元の娘さんと結婚したり、ご夫婦で定住したりした方のお子さんが増え始め、村に活気が戻ってきています。お祭りや運動会も賑やかになってきて、みんな喜んでいます」。


このページのトップへ
copyright(c) 2006 ringyou.net. all rights reserved. プライバシーポリシープライバシーポリシー  サイトマップサイトマップ