みなさん、こんにちは! 葛城奈海です。
福岡の天神にあるスカラエスパシオから、18年度のガイダンス初日の様子をお伝えします。
好天に恵まれた今朝、飛行機の窓からふと外を見ると、なんとも美しい白い峰々が目に飛び込んできました。遠くには北アルプス、その手前に八ヶ岳、そして南アルプス……。目の保養をして、気分もさわやかに福岡空港に降り立ちました。
今回の会場は地下2階なのですが、ビルに一歩足を踏み入れた途端、覚えのあるいい香りが漂ってきました。木曾檜のチップで作られた入浴剤の香りです。え、こんなところでお風呂?と思いきや、お湯こそ張ってありませんでしたが、間伐材のトレーに乗せたそのチップが会場のあちこちに置かれ、落ち着いた森林の香りを漂わせていたのでした。
そうやって、いながらにしてアロマテラピーを受けているかのような会場には、平日だというのに開場時間には、オリエンテーションコーナーの椅子が足りないくらい、たくさんの人が足を運んでくださいました。今日は比較的、年齢層が高めの男性が多かったようです。
この福岡会場には、九州の各県に山口を加えた9県が参加しています。取材でお世話になった懐かしいみなさんとの、うれしい再会もありました。ステージがないので体験談のトークショーという形ではありませんでしたが、お客さんがいない間を狙って、研修生のみなさんとお話ししました。
熊本の田中さん(20歳)は、現在お父さんが班長を務める作業班で、親子一緒に仕事しているそうです。お母さんも自ら刈払機を持ち、お父さんと共に山で働いていたとか。小さいころから、そういうご両親の姿をかっこいいなと思い、尊敬していたそうです。茶髪で一見イマドキの若者風なのですが、実は剣道も三段の腕前で子ども達に指導もしているとか。息子が自分たちの姿を見て林業を志してくれたなんて、ご両親もさぞ喜んでいるでしょうね。
前職は電気屋さんだったという大分の野平さん(36歳)は、実家の農業を継ぐために、両立が可能な林業の道を選んだそうです。農業の方では、現在、ひとりで米(コシヒカリを3反)と柚子、そして銀杏を作っていると聞いて、びっくり。銀杏を育てている農家の方のお話ししたのは初めてだったので聞く話すべてが新鮮だったのですが、50本ほどある銀杏の木から落下した銀杏を拾い、水に漬けて皮を腐らせ、機械で皮を剥き、主に料理店に出荷するのだとか。「柚子コショウおいしいですよね〜」と言うと、「来年はコショウも自分で育てて、自前で柚子コショウも作ろうと思ってるんです」と、チャレンジ精神旺盛なことがよく伝わってきました。こういう前向きで柔軟な思考と行動力の持ち主は、林業の世界にも、きっと新鮮な空気を送り込んでくれるに違いありません。
少しお客さんが減ってきた頃合いを見計らって、入り口のそばにある間伐材・林業工具展示コーナー、資料コーナーを見学しました。木製品のコーナーは、年々質が向上しているのがよくわかります。木馬の中に積み木が入っているセットは、2歳になる甥っ子にプレゼントしたくなりました。ちょっと面白かったのが、間伐材のサッカーボール。キットになっていて、自分で組み立てることもできるそうです。子どもたちには、小さな頃から木に親しんでほしいなとしみじみ思います。木製品で遊ぶのはもちろんですが、それよりなにより自然豊かな場所で暮らせたら、心身ともに丈夫に育つのではないでしょうか。
一日を終えてみると、今日はお客さんの入りがいまひとつでしたが、その分、研修生とゆっくり話したり、展示品をじっくり見たりすることができました。そうはいっても、やっぱり大勢の人に足を運んでもらいたいものです。特に、今年は単に森林の仕事について紹介するだけでなく、一般の人に緑に対する理解を深めてもらうこともガイダンスの目的のひとつになっています。というわけで、明日こそは、より多くのお客さんが来てくれることを祈りつつ、今日のレポートを終えたいと思います。それでは、みなさん、また明日。