こんにちは、葛城奈海です。真っ青な空の下で北風が吹き荒れる秋葉原から、H18年度の「森林の仕事ガイダンス」を締めくくる、東京ガイダンス2日目の様子をお伝えします。
今日も東京会場にはたくさんのお客様が足を運んでくださいました。昨年に引き続いて出展された事業体の方によると、「今年のお客さんは、昨年に比べて10歳くらい平均年齢が若く、仕事をやめたばかりでやる気のある人が多い」とのこと。確かに、会場を見渡していても、20〜30代と思しき若者の姿が目立ちます。書籍コーナーやビデオコーナーでも食い入るように資料や映像に見入っている方がたくさんいらっしゃいました。
間伐材・林業工具展示コーナーで目を引いたのが、今回のガイダンスで初めてお目見えした南部熊鈴。南部鉄瓶で有名な岩手県の馬具職人さんが作ったもので、もともと「チャグチャグ馬コ」が付けていたものなんだそうです。岩手県の血を引く者として気になったこともありますが、身内の贔屓目を差し引いても、通常の熊除けの鈴とは音の響き具合がまるで違います。これなら深い山に入っても遠くまでその澄んだ音色が響き渡り、熊さんとの望まぬ遭遇を避けられるに違いありません。実際、岩手県森連の方によると、地元の森林に入る人たちはほとんどがこの鈴を愛用しているとのこと。私も山歩き用にひとつ入手したくなりました。
今日は、アウトドア・エッセイストの木村東吉さんがトークショーと丸太切りイベントに参加してくださいました。元々雑誌やCMのモデルとして活躍していた東吉さんは、現在河口湖畔暮らし。アドベンチャーレースなどに出場、主催もするアウトドア派であると同時に、ログハウスを作ったり、ストーブ用の薪割りをしたりとロハスな生活を実践していらっしゃいます。都会の人が田舎に移住してうまくやっていくポイントとして、「『自分は一番何をやりたいのか』をはっきりさせる」、「自分の価値観を人に押し付けない」という2大要素を挙げてくださいました。前者を言い換えると、「1番の目的がはっきりしたら、2番目や3番目にほしいもののことは気にしない」。東吉さんの場合は、「湖畔でカヌーのある暮らしがしたい」ことが最優先事項としてはっきりしていたので、「モデルの仕事がなくなるのでは?」などといった周囲の懸念にも動じることがなかったそうです。後者については、例えば、「ずっと地元で暮らしてきた人と都会から移り住んできた人、長い間違う環境で暮らしてきた者同士がうまく付き合っていくのは現実的にはなかなか難しい。そこで大切なのが、人の価値観を認めること」とお聞きして、これは、田舎への移住に限らず、人として生きていく上でも普遍的に役立つアドバイスなのではないかなと感じました。
とにかく今日は、時折物が倒れるほど北風が強かったですが、梶谷さんのチェーンソー実演や木村東吉さんとの丸太切りイベントに参加してくださったお客様は、客席で寒風にさらされ肩をすぼめながらも熱心に見入っている姿が心に残りました。各県のブースにもたくさんの方が訪れ、全森連ブースでは、長机を増設して対応に追われていました。
関係者のみなさんが力を合わせて、ガイダンスを無事成功裏に終えることができたことを大変うれしく思います。この盛り上がりを、この場だけのものに終わらせることなく、全国の森林の現場に新しい風が吹き込まれ、森林の木々もそこで働く人々も活性化することを祈って、このレポートを終えたいと思います。陰日なたとなって力を尽くしてくださった関係者のみなさん、本当にお疲れさまでした。そして、ありがとうございました!