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山いき女房の徒然日記

〜めぐり逢い〜 梶谷加根 2011/01

生後3日目のベビー。すくすく元気に育っています。

生後3日目のベビー。すくすく元気に育っています。

昨年12月半ばに待望の第二子(長女)を授かった。長男の時と同じ産院での出産。黒滝村から約1時間はかかる出産場所。この決して近くない産院を選んだ理由は、そもそも地元唯一の産婦人科が不名誉なことで全国的に有名になってしまい、閉鎖に追い込まれてしまったからだ。
私の住む吉野でたった一つだった産婦人科は、元々私の好みや理想からはかけ離れていたけれど、何かトラブルが起きた時でも家から近いという理由で、そこに分娩予約をしていたにもかかわらず、選ぶことすらできない場所になってしまった。

吉野杉のすかし彫り積み木をベビーベッドの棚に飾ってみました。ステキ!

吉野杉のすかし彫り積み木をベビーベッドの棚に飾ってみました。ステキ!

今から数年前、大阪市で受けた産婦人科医の無料カウンセリングで、趣味のジョギングの話で女医さんと盛り上がった時のこと。共通点が多いので、話し込んでいくとなんと高校時代の陸上部の恩師の奥さんだということがわかった。なんという偶然!そして、恩師と女医さんの学校の先輩にあたる人が奈良県内で産婦人科をしていると紹介されたのが、我が子二人を無事にとりあげてくれた奈良県の中部にある産院だった。

一人目の出産時は、初めてのことで何が何だかわからず、先生や看護師さんとも特に話をすることもなく検診や分娩を終えた。しかし、今回は私自身が出産の知識が増え、診察時も余裕が出てスタッフの方と笑いを交えたお話ができるようになっていた。

臨月になり、お腹が大きくなって、もはや自分では車を運転できなくなったので、夫が産院まで運転し診察に付き添ってくれた。夫の勤務先の記述を見て先生が「あなたは黒滝村の森林組合にお勤めですか?」と聞いてこられた。「はい、そうです」と夫が答えると先生は、山の管理のためのGPSのことについて夫にいろいろと聞いておられた。山いきじゃなかったら、忙しい産院の先生とこんなに会話することはなかっただろう。

いよいよ分娩が近づき、雪がちらつく早朝、夫が講師を務める「吉野チェンソーアートスクール」前を通って産院へ入院。出産も二人目ともなると余裕が出てきて、「看護師さん、ハンドソープがもう空ですっ!」、「トイレットペーパー、そろそろ補充してくださ〜い」、「電池が切れかけですよ〜」、「今日の担当医は、どなたですか?院長ですか?それとも副院長?」、「今日の担当の助産師さんは?」と冷静に確認作業。人生最高の瞬間をベストな状態で迎えたいから、38歳にもなればもう自分のペース。「ひつじが一匹、ひつじが二匹…」ではなく「あと○時間後に出産できると想定して、きつい陣痛があと65回…、あと64回…」と腕時計をにらみつけながらカウントダウン!だって二度目だもの!しっかり分娩の知識を得てきたし、今回はどんなに痛くても余裕!?だと思っていたのに…、二人目は一人目の半分の時間で生まれると先生もおっしゃっていたのに…、もう長男のときにかかる時間を超えちゃっていますけど!?先生!これは一体どういうことですか!?

ベビーは、ママそっくり!

ベビーは、ママそっくり!

「痛いよう、いた〜い!まだ!?」泣きかけながら声をしぼり出す私に看護師さんが「目を閉じちゃダメ!!しっかり誕生の瞬間を見届けるのよ」そう言い続けられ、たぶん血眼になりながら目を眼鏡ごしに見開いていた私。眼鏡愛用者なら誰もがわかると思うが、眼鏡をかけて下を向くと、レンズの境目でものが二重に見えたり、よく見えなかったりする。我が子の生まれるその瞬間、下を向いたらちょうどレンズの境目で人生最高の一瞬を見逃した!だって助産師さん、0.01秒ぐらいの早業で赤ちゃんをびよ〜んととりあげるんですもの。ああ、こんなに耐えたのに。もう一度、プレイバックして〜っ!

無事出産を終え、ある看護師さんが私の部屋に来たとき、こう聞いてくれた。「ご主人さん、ブログやってますよね?」と。なぜご存知なのかと聞くと「夫が奈良県の林○課にいるので知ってるんですよ!」と。
我が子をとりあげてくれた助産師さんは「梶谷さんは川上村のご出身ですよね。うちの子が剣道をやっていて川上村に何度も行ったことがあるんですよ。ご主人は林業だなんて。かっこいいですね」(実家のご近所のおじさんが、剣道8段で多くの生徒をかかえている先生だった。)
明るい看護師さんは「うちの主人が黒滝村の隣村の出身でよく行くのよ。梶谷さんの家は?ああ、あの辺りですか。いつか寄らせてもらうわ」。
そして入院中、NHKの密着取材を受けていた夫のことを先生に話すと「ご主人様は東京から?林業を目指して!?ほほう」と感心してくださり、さらにいつでも撮影に協力しますから遠慮なく相談してほしいと言ってくれた。私は本当にこの産院にご縁があって引き寄せられたんだと思う。

生後間もない娘を抱っこした夫。

生後間もない娘を抱っこした夫。

夫と結婚して6年。村に嫁ぐと決めたその日から、私と夫の子どもを授かることだけがたった一つの願いだった。長男を授かり、この子にきょうだいが欲しいと思うようになり、そして長女を授かった。決して平坦な道のりではなかったけれど、二人でしてきた苦労も努力も、第二子の誕生によってすべてが実った。この子には実りのある人生を歩んでもらいたいと思う。

東京から来た男性と、吉野林業の中心地 川上村に住む私が林業イベントで出逢い、結婚して、この地で子どもを生んだ。木のご縁がつながり、いろんな出来事があり、多くの人々をめぐり逢わせてくれた。このめぐり逢いは、偶然じゃない。私が吉野で産声をあげたときから決まっていたことかも!?私って幸せ!!吉野杉に囲まれた吉野の地に生まれて本当に良かった!

こちらは長男。年末年始に大雪が降り、パパとかまくらを作りました。

こちらは長男。年末年始に大雪が降り、パパとかまくらを作りました。

吉野にこんなに雪が降ったのは数十年ぶりです。

吉野にこんなに雪が降ったのは数十年ぶりです。

※梶谷さんが取材を受けた番組はこちら
NHK BS2 「Mi/Do/Ri 〜緑遊のすすめ〜」 梶谷哲也 『吉野杉の山里に生きる(仮)』
オンエアは、
2011年1月23日(日) 午前7時40分〜8時04分(BS2)
2011年1月28日(金) 午前9時25分〜9時49分(BShi)
※再放送/2011年2月1日(火) 午前1時5分〜 (BS2)
  • 梶谷加根(ますね)さん

    ● プロフィール
    吉野林業の中心地、奈良県吉野郡川上村生まれ。 吉野の厳しい自然と野生動物に囲まれて育つ。さそり座、AB型。 現在、山いきの夫と三歳の男児の3人暮らし。 東京出身で田舎に憧れ移り住んだ夫とは逆に、 のんびりした田舎暮らしを好まず、都会のにぎやかで華やかな生活に憧れている。

    ● 関連リンク

    加根(ますね)さんも登場するご主人の梶谷哲也さんのブログ「出来杉計画」
    http://www.deki-sugi.com/

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