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森林の担い手通信-16- 和歌山県(有)原見林業 (平成18年度 基本研修生)田村修平さん

和歌山県の御坊駅から車で小一時間ほど。峠を一つ越えた先に原見林業がある。
社長の原見さんが代々守ってきた約550haの山林を主なフィールドとしている。社員は、原見さんの奥様も加えて総勢9名。
現在、基本研修生が1名、技術高度化研修生が1名いて、田村さんは今年から研修生の指導員としても活躍している。

 
僕たちが辞めたら、誰もやらなくなる。だから、続けていくことが大切なんです。

今年の春から研修生を指導することになりました。指導するのは、難しいですね。普段、やっている作業でも、言葉で説明しようとすると中々うまく伝えられません。しかし、そうも言っていられないので、しっかり指導していきたいと思います。ケガがいちばん心配なので、研修生の疲労度にも気を配っています。疲れてくると集中力も散漫になりますからね。

普段は重機を使った仕事が多いです。会社には、グラップルが3台、作業道開設用のバックホーが2台、タワーヤーダが2台、フォワーダが1台あります。他に運搬用のダンプカーも1台あります。プロセッサが必要なときは、レンタルしてきます。原見林業は、とても家族的な雰囲気の会社です。仲がいいので厳しいことも言えるし、フォローしあうこともできます。朝と夕には必ず「ゼロ災運動」をしています。「今日もゼロ災で行こう!」とみんなでかけ声をかけ、気持ちを引き締めるのが日課です。仕事を早くこなすことは必要ですが、急いでやってケガをしたら元も子もありませんからね。

好きなのはチェーンソーを使う仕事ですね。一昨年、胸高直径で1m20cmほどの杉の大木を伐る機会があったんです。長いバーのチェーンソーを使って3方向から回して伐り、クサビを8本使って倒しました。林業の醍醐味を知ることができました。研修生の頃は、技術を覚えるのでせいいっぱいで、あまり余裕がなかったです。最近になって少し“ゆとり”がでてきて、いろいろなことを感じ取っています。山が、前よりもよく見えるようになりましたね。そうすると、また興味がわいてきます。今は、とても楽しいです。身体もがっちりしてきたみたいで、昔着ていたTシャツが入らなくなりました。

 

今年は自分にとって大きな出来事がありました。一つは結婚です。相手は同じ「緑の研修生」。一応、職場結婚になるんですかね。(笑)そして10月には娘が生まれました。母子共に元気です。僕も嫁さんも「緑の雇用」で林業の世界に入り、同じ夢を持ってがんばってきました。これからも二人で(いや娘がいるから三人ですね)力を合わせて夢を追いかけていきたいな。責任も大きくなったので、いままで以上に安全に気をつけてがんばっていきたいです。

林業にとって厳しい時代が続いています。材価が低いので、手入れをしない山が多いです。手入れをしないから、どんどん山が悪くなっていってしまう。悪循環ですね。山を持っている人でも、山に目を向けず、興味を持たなくなっているのが現実です。日本には、これだけ山があるのになあ、と思います。そんな時代だからこそ、僕らがこつこつがんばらないといけない。僕らが辞めたら、誰もやらなくなってしまう。続けていくことが大切だと思います。機械化も効率のために必要ですが、機械に頼らない昔ながらの技術も大切に受け継いでいきたいですね。その方が山のためにもなると思います。

〈田村修平さんプロフィール〉

神奈川県川崎市生まれ。大学卒業後、すぐに和歌山県にIターン。(有)原見林業に入社し「緑の研修生」になる。林業歴5年。今年から後輩の指導にもあたっている。

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