vol28 TOP > 美しい森林づくりへのメッセージ

ジョン・ギャスライトさん
小学校3年生の時、いじめられて悲しんでいた僕の手を引いて祖父が行ったのは丘の上。大きな木の前で『よし!この木に登るぞ!』僕は祖父の後を無我夢中で登った。初めて見た眼下に広がる世界は、僕の行き詰っていた心を大きく広げてくれた。今でも落ち込んでいた気持ちをあんなに前向きに変えてくれた樹上の世界は、次に踏み出す勇気をくれると信じている。

■ 僕が考える美しい森とは…
植林の整備された森、紅葉の美しい自然林、神社などの鎮守の森、水源となる原生林、それぞれがとても美しいと思う。だけど森自体が美しいというよりも、そこで働く人が厳しい自然と向き合いながら汗を流し、それに誇りを持って働く姿が一番美しい森の風景だと思う。
以前、僕が身体障害を持つ友人とアメリカのジャイアントセコイアという巨木に登る挑戦を計画していた時、日本でも練習する為の巨木を探していた。ある森林組合の方にこの計画を説明すると理解し応援してくれた。案内された木はとても傾斜のきつい斜面にあったが木はまさに最適だった。
練習日、友人とそこに行くと斜面に歩道がつくられていた。組合の方々は大変だった作業にも関わらず笑顔で迎えてくれ友人の練習を見守ってくれた。練習が終わり下りてきてお礼を言うとフォレスターの眼に涙が光っていた。自分が仕事を始めてから育てた木がこうして人の夢を応援できる木に成長したことが嬉しい、また明日から頑張ると。僕も日本のフォレスターのやさしい一面に心を打たれ感動した。
■ 森で働いている人へのエール
僕はアメリカに本部のあるISA ( International Society of Arboriculture)のアーボリスト技術を日本に紹介している。ISAは年に一度、林業と造園のプロのツリークライミングチャンピオンシップを行っており、一昨年から2年連続で日本チャンピオンを連れアメリカへ行き、同時に日本の技術も紹介している。日本の若者も世界レベルの技術に刺激を受け、自分の技術もさらに磨く。若いフォレスターが世界に繋がる道をつくるのも大切だと思う。
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ジョン・ギャスライトさんのプロフィール 1962年アメリカ・オレゴン州生まれ。カナダ・ブリティシュコロンビア州、ビクトリア育ち。南山大学経営学部卒業、名古屋大学大学院・生命農学研究科博士課程修了、農学博士。現在、ツリークライミングジャパン代表、NPO法人ツリークライミングジャパン理事長の他、中部大学教授、タレント、コラムニストとしても活躍中。 |

