vol28 TOP > 山へこないか!林業事業体レポート
有限会社二和木材は、盛岡市の北西、岩手山を間近に望む岩手郡滝沢村に本社を構える民間林業事業体だ。事業内容は、素材生産・造林と製材で、本社敷地内に製材工場を併設している。また、近年、矢巾町にも製材のための新工場を設立した。

お孫さんの副社長・清貴さん。
会社設立は、昭和47年のこと。現社長の小笠原啓次郎さんが創立者だ。小笠原さんは、昭和20年代から、木炭生産、伐木・造林に携わってきた。「炭焼きは得意で農林大臣から2回も表彰されました。しかし、燃料革命で炭があっという間に使われなくなりました」と当時を語る。薪炭生産から伐木・造林に事業を転換し、徐々に拡大していった。製材設備の導入は会社設立の翌年のことで、「これからは木を伐るだけではだめだ、製品として売って行かなくては」という小笠原社長の考えがあってのことだという。また、「地元の木は、地元で使うのがいちばんいい」という考えの基に、積極的に地元の工務店等に営業をかけ地産地消を実践している。
社員は現在40名。素材生産・造林に関わっているのは10名で内4名が研修生。製材部門に20名、残りの10名が役員と管理部門という構成になっている。

二和木材では平成3年から高性能林業機械を導入し始め、ハーベスタ2台、プロセッサ3台、フォワーダ4台、グラップル5台、林内作業車2台を所有している。試行錯誤を繰り返しながら、少人数で効率的な作業を行えるシステムを確立させてきた。現在は3名ないし4名で班を構成し、機械化による高効率作業を実践している。全員が機械の操作ができるように徹底した研修を実施している。
「架線による集材はあまりやっていません。基本的にバックホーで作業路を開設しています。なるべく切土・盛土を行わず、縦断勾配が急にならないよう工夫しています。作業路ができたらチェーンソーによる先行伐倒を行い、グラップルで集材し、プロセッサで造材を行っています。運材にはフォワーダを用います。最近では、ハーベスタで伐倒、造材を一度に行うことが多くなりました」と副社長の小笠原清貴さんは説明する。このシステムにより生産コストを大いに削減することができたという。

樹皮等を利用している。
二和木材の素材生産量は、年間約1万8千m3。そのうち間伐材が約2割を占めている。樹種は大半がカラマツで残りがスギとアカマツだ。カラマツ材はねじれが出やすいのが欠点だったが、乾燥技術の進化により極力ねじれを押さえることが可能になり、梁材等に加工され出荷されている。
「緑の雇用」は平成20年から実施している。「山の働き手はまだまだ不足しています。当社でも緑の雇用制度を利用して、主に地元の農業高校の卒業生を採用し、育成していこうと考えています。我々にとってなくてはならない制度です」と小笠原清貴さんは話す。
二和木材の名刺には『使いよい岩手の木を守る』とのスローガンが入っている。「緑の雇用」制度で若い担い手を育成し、機械化と独自の作業システムによる高効率・低コスト林業の実践、ていねいな製材乾燥技術で未来を切り開こうとしている。
![]() 砂子澤(いさござわ)
元(つかさ)さん 平成22年度 森林施業効率化研修中 |
農業高校を卒業して新卒で就職しました。実家は祖父の代から林業をやっています。自然の中で働く姿を見て育ち、自分もやりたいと思いました。会社は明るい人ばかりなので楽しいです。来年は岩手県のグリーンマイスター研修を受ける予定。さらに技能を身につけ、技術を磨いていきたいです。 |
![]() 藤原優輝さん
平成22年度 技術高度化研修生 |
高校は森林科学科でした。勉強しているうちに林業に興味が出てきました。高校で学んだことを活かせる仕事に就こうと思いこの会社に入りました。木を倒すときにいろんなパターンがあり、それを覚えるのがたいへん。チェーンソーの目立てが難しいです。目立てがちゃんとできると切れ味が全然違います。 |




