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福岡・宮城・大阪・東京で行われる「森林の仕事ガイダンス」の様子を、会場から葛城奈海さんがレポートします。
福岡会場レポート

1日目

2日目

1日目
11月9日

福岡ガイダンス(イムズホール) 1日目レポート 葛城奈海

みなさん、こんにちは。葛城奈海です。いよいよまた今年もガイダンスのシーズンがやってきました!今年度の皮切りの会場となったのは、福岡は天神のイムズホール。天神の駅に程近いことから交通の便もよく、吹き抜けのビルはショッピング客で賑わい、ガイダンス会場としてはかなり好条件に恵まれています。しかも、相談ブースやステージがある9階のホールとは別に、1階正面入り口横の屋外スペース、イムズスクエアを利用できるため、チェーンソーアートの実演など人目を引くイベントはそちらで行うという、2会場体制。これは、ガイダンス始まって以来のことではないでしょうか。


11月とは思えない暑いくらいの好天にも恵まれ、平日にも関わらす、イムズスクエアにはたくさんの親子連れが訪れました。まず大人気だったのが、はるばる新潟から出張してくださった『お山の森の木の学校』ガイダンス分校のたから探しコーナー。落ち葉の中に埋まっている木工細工の材料をたから探しの要領で、探していくというものです。まだ2・3歳くらいのお子さんたちがお母さんやお父さんと一緒に、落ち葉の中に両手を突っ込み夢中になって「たから探し」をしている、愛らしい姿も見られました。また、その奥のスペースは、裸足で上がることのできる同分校の木工細工コーナー。私も緑の雇用情報誌『MIDORI PRESS』の取材で『お山の森の木の学校』を訪れ、体験させてもらったことがある、さまざまな自然の木の枝を使って昆虫などを作るコーナーです。壁には、学校長である明石さんの大型作品の数々がオブジェのように飾られています。50cmくらいはありそうな大変リアルなカマキリの姿に驚嘆していたら、その下に視線を移してさらに目を見張りました。なんと、そこにあったのは巨大百足(むかで)!しかもこれまた、今にも動き出すんじゃないかと思うほどリアルなのです。ひー。


分校のお隣は、ガラス張りになったチェーンソーアートのコーナーです。今回の福岡会場には、ログビルダーでもあり、チェーンソーカーバーでもある林隆雄さんが、山口県から駆けつけてくださいました。会場が屋外であることから、今年は騒音を気にすることなく、(昨年のように)電動ではない通常のチェーンソーを使っての作業が可能だったこともあり、林さんによる豪快な作品作りの様子をご覧頂けたようです。ステージの時間と重なっていたため、私は残念ながら実演の様子を見られなかったのですが、展示されていた作品の数々には魅了されました。特に印象的だったのが、1mはあろうかと思われる巨大トンボと、そのトンボと同じ木に留まっているヤゴの作品です。リアルさと力強さを兼ね添え、大変迫力がありました。


かくして、今回の福岡会場1階のイムズスクエアは、木を使ったアートの競演の様相を呈し、訪れる方々の熱気とあいまって、なかなかの活況でした。


一方、9階のイムズホールに今回出展しているのは、九州各県に山口を加えた計8県です。昨年までとの違いは、ステージがあることと、各ブースを隔てる壁がなくなり、代わりに、木の枝を組み合わせた腰の高さほどの柵が設けられたこと。壁がなくなったことで、ずいぶん開放的な空間になりました。会場を見て回った中で印象に残ったのが、「ずいぶんパネルが充実したなあ」ということ。ひとたび林業に携わってしまえば、しごく当たり前のことでも、会場を訪れるお客さんはあまりご存知のないこと、例えば、杉と檜の違いや、手入れの行き届いた森とそうでもない森の差、といったことが写真入りでわかりやすく説明されています。このことに象徴されるように、ガイダンスも回を重ねるにつれていろいろと配慮が行き届くようになり、お客さんに優しい内容になりつつあるなと感じました。


ステージでは、研修生によるトークショーが2度行われました。特筆すべきは、宮崎県からご夫婦の研修生が出演してくださったこと。共に20代半ばの中村夫妻は、まず夫の信久さんが研修生になり、数ヶ月遅れで妻の美香さんも続いたそうです。お子さんもふたりいるとのことで、「子どもを抱えながら仕事するには、子どもが急病になったときなどに融通をきかせて貰えてありがたいです」と、話してくれました。保育園で調理士をしていたという美香さんは、「肉体的には、かなりきついですが、山でいろいろな花や植物に出会え、薬草などについても先輩から教えてもらううちに興味を持つようになり、それが趣味になりました」と、森林の仕事の魅力を笑顔で語ってくれました。


明日は、研修生だけでなく、大分から駆けつけてくださった「森林の匠」もステージに登場してくださる予定。どんなお話を伺えるのか、楽しみです。

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2日目
11月10日

福岡ガイダンス(イムズホール) 2日目レポート 葛城奈海

チェーンソーアート実演に黒山の人。
チェーンソーカーバーの林隆雄さん。
これが会場でもらえるエコバッグ。
普段の買い物などにも使えそう!
佐藤嘉久二さん
高田好則さん
「葛城奈海のがんばれ林業」の「林業体験」

みなさん、こんにちは!葛城奈海です。福岡イムズホールから、ガイダンス2日目の模様をお伝えします。


東京は天候が崩れているようですが、福岡は今日も穏やかな空に恵まれ、屋外のイムズスクエアにも朝からたくさんの方がお見えになりました。昨日もお伝えしたように、今回のガイダンスは、2フロアに渡っているため、来場者のパターンとしては、まずイムズスクエアのイベント(チェーンソーアートの実演や「お山の森の木の学校」ガイダンス分校)に引き寄せられるように足を留め、そこで配布された<森林の大切さを伝えるポストカード>に書かれたクイズラリー(の賞品!?)に導かれて9階のイムズホールに上がってきます。9階の受付で来場者記録票を提出した方には、たくさんの資料や間伐材カレンダーの入ったエコバッグをプレゼント。去年までの紙袋に替わって、「日本の森林をもっと元気に!」などと書かれたエコバッグになったのは、環境に配慮する林業をアピールする上でも効果的でしょうし、肩からもかけやすく、なかなか実用的でもあって、いい感じです。一方、クイズラリーの答えは、会場内のパネルなどで見つけることができます。クイズは、「地球○暖化」といった穴埋め形式で、3問全部に正解すると、空クジなしで林産品が当たる抽選会に参加できます。飾りチェアなどの豪華賞品を当てて、喜ぶ親子連れの姿も見られました。


ステージでは、昨日と同じく研修生による2度のトークショーに加えて、今日は大分の「森林の匠」、佐藤嘉久二さんと高田好則さんによるトークショーも行われました。それぞれ森林での仕事歴50年以上、40年以上という大ベテランだけあってトークにも深みがあり、来場者のみなさんも引き込まれているのがステージ上の私にも伝わってきました。特に私の心に残ったのは、佐藤さんの「今でも神社の大きな木を伐るような場合には、気になって前の晩よく眠れない」という意外なエピソードと、高田さんが熱く語ってくださった蜂に襲われたときのお話です。大径木伐採の匠である佐藤さんであっても、伐倒方向に寸分の狂いも許されない大木を伐る場合には、大きなプレッシャーがかかり、寝ていても「どうやって伐ったらいいか」考えているとのこと。その仕事がうまくいくと、まずは神様に感謝の祈りを捧げ、それからじんわりと喜びがこみ上げくるそうです。どんなに経験を積んでいても、決して謙虚さを忘れず、緊張感をもって自然と向き合う姿に、匠の真髄を見た気がしました。同様のことは高田さんにも言え、蜂や雷を決して侮ってはいけない、ということを、ご自身の「危機一髪」の体験を例に語ってくださり、大変説得力がありました。ステージ終了直後に、運営スタッフのひとりが伝えてくれた「森林の仕事をしているわけではない私でも、山に行くときは(蜂に襲われる危険性の高い)黒い服を着ていくのはやめようと思いました」という感想に、匠の言葉の重みがよく表れていたような気がします。


余談ですが、佐藤さんと高田さんは私の先生でもあります。数年前に、それぞれ間伐と下刈りを実技で指導していただきました。その様子は、ringyou.net内、「葛城奈海のがんばれ林業」の「林業体験」でご覧いただけますので、よかったらご覧になってみてください。


そんなこんなで福岡ガイダンスは、無事終了しました。この後、ガイダンスは、宮城、大阪、東京と続きます。今後の会場にも、ひとりでも多くの方に足を運んでいただき、日本の森林が元気を取り戻す原動力=「緑の担い手」になっていただけることを願っています。



「葛城奈海の林業体験」
http://www.ringyou.net/bbs/taiken/index.html

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