平成22年度の「森林の仕事ガイダンス」は、大阪・東京の2会場で行われた。
今回は、相談に重きを置いたシンプルな演出・構成で、会場には林業就業を真剣に考える熱意ある相談者が集まった。
両会場ともテレビ局の取材が入り、マスコミもこのガイダンスを注目していることがうかがえた。また、リクルートスーツ姿の若い相談者の姿も数多く見られた。

大阪ガイダンス・レポート 大阪会場 梅田スカイビル・ステラホール 2010年11月19日(土) 13:00〜17:00
2010年11月20日(日) 11:00〜16:00

参加都道府県
北海道、三重県、滋賀県、京都府、大阪府、兵庫県、奈良県、和歌山県、鳥取県、島根県、広島県、山口県、徳島県、香川県、愛媛県、高知県、福岡県、熊本県、宮崎県、鹿児島県

オリエンテーション映像に見入る相談者たち。
オリエンテーション映像に見入る相談者たち。
全森連ブースでは総合的な相談を。
全森連ブースでは総合的な相談を。
相談する人が絶えなかった研修生ブース。
相談する人が絶えなかった研修生ブース。
各地のブースではより具体的な相談を。
各地のブースではより具体的な相談を。
葛城奈海さんが司会の研修生トークショー。
葛城奈海さんが司会の研修生トークショー。
研修生の本音トークに聞き入る相談者たち。
研修生の本音トークに聞き入る相談者たち。

研修生の声

前岡直人さん
徳島県 株式会社 佐々木木材店
平成22年度基本研修生
林業は飽きることのない仕事。はまったら、やめられません。

徳島市内出身の前岡さんは、高校卒業後に神戸で1年ほど働いた。その後徳島に戻り、木材市場でアルバイトを続けていた。「今の会社は親の里にある会社で、親戚の人が募集していることを教えてくれました。話を聞いたとき、自分に林業は無理だろうと思っていたんです。木材市場で働いていて多少、林業のことを知っていたので体力的に自分にはできないと思っていました。また山村で一人暮らしをやっていけるかどうかも不安でした。しかし、年齢も年齢なのでいつまでもふらふらしていられないし、苦渋の決断で林業に就業したんです」と話す。入った会社は「緑の研修生」を採用するのは初めてで、まわりは60代、70代のベテランばかり。町営住宅を借りて一人住まいを始めた。やってみると林業は、きついだけではないことがわかってきた。「仕事はきついんですが、やったことが目で見えます。やり終えたときの達成感は経験したことがなかったものでした。慣れてくるとコツもだんだんわかるようになり、身体も楽になってきました。毎日続けていれば体力もついてきます。だんだん、林業が面白いなと思うようになってきました」と笑顔で話す。春から始まった研修も冬を迎え、ほぼ1年間の仕事の流れがわかってきた。「これからは自分でどう工夫して、技術を身につけていくかが課題ですね。今、経験豊かなベテランの人が周りにいるので、先輩たちが持っている技術や知識を少しでも吸収できたらと思います。林業は、飽きることがない仕事です。はまったら、やめられなくなる面白い仕事ですよ」。

 
山口和孝さん
熊本県 八代森林組合
平成22年度技術高度化研修生
林業は、決して楽な仕事ではない。でも、やりがいのある仕事です。

山口さんは、学校を出てから建設会社に7年ほど勤めてから林業に転職した。「実家から通える仕事を探していて、知り合いが紹介してくれました。実家は山も持っていて、山仕事を手伝ったこともありました」。研修で苦労したのは、「夏の暑さや冬の寒さ、山の気候に慣れるのが大変でした。特に夏の暑さはつらいです。できることなら夏の下刈りはしたくありませんね。夏が嫌いになりました(笑)」。面白いと感じるのは、やはり伐倒だと言う。「最初はチェーンソーにも慣れていないので中々うまく行きませんでした。木を一本伐るのにドキドキしながら伐ったのを覚えています。しかし、思った通りに倒れたときの爽快感は、実際に体験してみないとわからないと思います」。
今は、2年目の研修生4名に指導員が1名付いた5名の班で仕事をしている。指導員は「緑の雇用」の第一期生。研修生の苦労も知っているので、とてもやりやすいという。林業のやりがいを聞くと、「やったらやっただけ結果が出ることですね。間伐をやれば、山がきれいになり、材も出てくる。一所懸命に仕事をすれば、誰が見てもいい山だねと言ってくれるし、その結果が未来に残ります。それがやりがいです。林業を始めてから、山を見ると手入れがちゃんとしてあるかどうか気になるようになりました」。普段の作業で気をつけているのは安全のこと。「けがをしないことが一番。ケガをしたら今までの苦労がすべて無駄になります。仲間にも迷惑をかける。自分が気をつけているのは、どんなときでも安全装備をきちんと身につけること。普段からクセを付けておくことが大事だと思います」。

 
澁江健二さん
鹿児島県 かごしま森林組合
平成22年度基本研修生
Iターン先の鹿児島で天職を見つけました。

今年の春に結婚したばかりの澁江さん。出身地は東京で、奥様の実家がある鹿児島にIターンしてきた。「実は結婚前の去年に、もう鹿児島に引っ越してきていてハローワークで職探しを始めていました。そのとき森林組合の緊急雇用があって応募したのが林業との出会いです。東京では建設業界で働いていました。林業は、今まで経験したことがない仕事だったので、とても新鮮に感じました」。林業の面白さに目覚めた澁江さんは、今年「緑の研修生」に応募し、本格的に林業で身を立てる決心をした。「今までいくつかの職に就きましたが、自分にいちばん合っている仕事です。周囲の人もみんなやさしく、ていねいに教えてくれます。自然の中で毎日身体を動かしているので、食事がおいしいですね。5kg太りましたが、今年の夏の暑さで元に戻りました」と笑う。東京にいた頃は、武道が趣味で空手道場に通っていた。鹿児島に来てからは遠ざかっていたが、最近、地元の少林寺拳法の道場に通い始めた。「林業を始めたばかりの頃は、体力的にもゆとりがなかったのですが、最近は身体も慣れてきたので趣味を再開しました。週に2回、仕事が終わった後に道場に通い練習しています。林業は定時に仕事が終わり、残業がない仕事なので、こうした趣味もやりやすいですね。林業は楽しい仕事ですが危険も多いです。伐倒のときは、周りに人がいないかよく注意するようにしています」。

 

受入事業体の声

森岡哲也さん
奈良県 吉野きたやま森林組合
地元に定着し、ずっと働いてくれる人に来て欲しいですね。

吉野きたやま森林組合は、奈良県の南端、三重県、和歌山県との境に位置する。吉野杉で有名な吉野よりさらに奥、近畿の屋根とも呼ばれる大峰山脈と台高山脈にはさまれた地域だ。「当組合は、平成16年に上北山村森林組合と下北山村森林組合が広域合併してできた、奈良県の広域合併組合の第1号なんです。現在、職員は15名、作業班員は約20名です。今までは多少経験のある人を雇用していましたが、昨年、初めてまったくの初心者を研修生として受け入れました。奈良県の就業相談会で募集をかけたところ、10名ほどの応募があり、当地において1泊2日の現地研修を行い、2名採用しました。23年度もやる気のある元気な若者がいたら林業後継者として、ぜひ来て、林業に就業して欲しいと思っています」と話す。
組合には独身寮があり、研修生にはそこに入居してもらい研修に励んでもらっている。「初心者を教えるのは大変ですね。習う方も初めてのことで大変でしょうが、教える方も苦労が多いです。ケガをさせてはいけないので、とにかく安全に気を遣っています。2人とも2年目に入ったので基本的な作業はこなせるようになりました。本年度は、1名を技術高度化研修に、もう一人を森林施業効率化研修に付けています。組合では出材班を1班増やして2班体制にしたいと思っています。そのためには、若い働き手が必要なので緑の雇用には期待をしています」。

 
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