「あるときハローワークに行ってみたら、森林組合からの求人があったので、すぐに応募しました」という。
奥様の美香さんは保育園の給食の仕事をしていたが、出産と子育てのため仕事を辞めていた。子供も大きくなったので新しい仕事を探していたが、なかなか見つからなかったという。「山にはまったく興味がなかったんですが、主人が組合に聞いてくれたところ女性でもOKということだったので応募しました」とのことだ。
現在は、ご夫婦揃って同じ作業班で働いている。信久さんは平成18年度の技術高度化研修も受けている。
信久さんに山仕事のことをお聞きすると、「たいへんな仕事ですが、好きな仕事に就けたので満足しています。山の澄んだ空気の中で汗をかくのは、気持ちがいいですね。お弁当もおいしく食べられます」と笑ってみせる。もちろん、お弁当は美香さんの手作りだ。
美香さんに聞いてみると、「山で働き始めてから、山を見るようになりました。私は山育ちではないので、山の植物のことをまったく知らなかったんですが、先輩たちからいろいろ教えてもらって、覚えるのが楽しくなりました。アケビを見たときは、びっくり。一体、どこを食べるのか、と不思議に思いました」。
どうやら信久さんより美香さんの方が山好きになってまったようだ。「先輩にだまされたこともあって。センブリを指して、食べたらおいしいよって言われたんで食べてみたら苦くて、一日中口の中が変でした」と大笑いする。こんないたずらをされるのも山の仲間に愛されている証拠だろう。
信久さんは、「収入面では正直に言ってきびしい面もありますが、今の仕事は人間関係が最高。山の仲間はみんないい人です。少しトゲがある人も、山で一緒に汗を流しているうちに丸くなります」と話す。
「班の仲間と一緒に山に入りますが、仕事中は自然が相手。だから休憩時間には人が恋しくなります。それが、いいのかもしれませんね」と美香さんも続ける。
「林業をはじめて、地球温暖化防止などの環境問題のことも知り、関心がでてきました。大きなやりがいを感じられる仕事に就けてよかったと思います」と信久さん。「どげんかせんないかん!というのがうちの班の中での流行語なんです」と美香さんも森林整備の大切さを訴えていた。
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