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研修生のいま
「緑の雇用」研修生インタビュー

有限会社フォレストサービス

日本最大の民間総合農場小岩井農場を守る防風・防雪林等社有林の保全管理を主とするフォレストサービスは、平均年齢34歳の若い技術集団だ。農場内の「賢治と歩く小岩井農場を巡る道」は美しい日本の歩きたくなるみち500選に選ばれた絶景の地を有す。フォレストサービスはその環境保全を担い、日々技術と知識を高めながら業務を行なっている。

有限会社フォレストサービス

有限会社フォレストサービス
岩手県岩手郡雫石町丸谷地36-32
TEL:019-692-4710
facebook:https://www.facebook.com/ForestService95

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椛木裕貴さん

椛木裕貴さん

所属
フォレストサービス
家族
妻・子ども(幼稚園)
趣味
ファッション
資格
 
 
 
自動車(普通・大型) 危険物取扱者 普通救命 刈払機 伐木造材 玉掛け 車両系建設機械 小型移動式クレーン 不整地運搬車 林内作業車 はい作業従事者 機械集材装置

20歳の時、自分の将来を考え地元に戻って仕事をしようと決意。

 椛木裕貴さんは高校を卒業して、すぐに上京。クルマの運転や整備に興味がありガソリ ンスタンドに就職した。しかし、ガソリンスタンドも変化の時代を迎えると、「危険物取扱責任者の資格も取りました。でも徐々にセルフのガソリンスタンドが増え、オイル交換や整備などの仕事も少なくなってきて。20歳の頃自分の将来像を考えたときに、このまま東京でガソリンスタンドに勤めるより地元に戻って働こうと決意し、岩手に戻ってきました。」と話す。

きっかけはハローワーク。未知の領域に一歩踏み込む。

 岩手に戻った椛木さんが林業に就くきっかけになったのが、ハローワークから紹介された林業に従事する人を育成する研修だった。終了後、一旦別の会社に勤めたが、「自然の中で仕事する」という魅力を忘れられず、改めて就業相談を経て林業の道に飛び込んだ。
 「林業の仕事は屋外だから気持ちいいだろうな。でも冬場は雪が積もるからいったいどんな仕事するのだろう…」という自称「素人レベル」からスタートした椛木さん。「仕事を始めると、夏場は蒸し風呂状態で汗が止まらないし、冬場は防寒具を着ていても手足がかじかむほど寒くて…。もちろん積雪の中での伐倒もおこないます。」と自然環境の中で働く厳しさを肌で感じたという。仕事面では「1年目は初体験ばかりでついていくのがやっとでした。1~2ヶ月はつねに筋肉痛(笑)。でも、そんな辛い体験をしても一度も辞めたいとは思ったことはありません。」と続けた。それは、同じ作業を行っていても毎日必ず何かで感動することがある、だから辛いことも耐えられるのだと。「技術は何度かやるうちについてきます。体力も同じです。」林業の基礎を身につけると林業の楽しさを感じられるようになる。その醍醐味を笑顔で語ってくれた。

就業までのエピソードを話す椛木さん。絶えず笑みがこぼれていた。
就業までのエピソードを話す椛木さん。絶えず笑みがこぼれていた。

重機を扱うようになってときめいた、重機の達人になりたい!

 椛木さんは「緑の雇用」で林業関連の機械の資格をほとんど習得した。「いろんな資格を取ることで仕事の幅が広がってやる気も湧いてきます。講習や研修で理屈も学べるので、安全を担保するためにも資格は必要です。」と資格取得の重要性を話してくれた。
 資格を習得した今は「重機の運転関係に興味があり、今は木材運搬用トラックを1台任されています。」玉切りした木材をグラップルクレーンで積み込み製材所などに運搬する作業だ。「一見簡単そうですが上司が積み込むと、美しく整然と積み上がっていて少々押しても崩れません。私が積むとまだまだ不安定。整然とした積み込みができるようになりたいです。」
 今後の目標を尋ねると「いつかは伐倒、枝払い、玉切りなどができるハーベスタのオペレーターになることです」と語った。

トラックに搭載されたグラップルクレーンを巧みに操り、トラックに積込んでいく。
トラックに搭載されたグラップルクレーンを巧みに操り、トラックに積込んでいく。

林業は楽しい、と心から思う。

 始めたばかりの頃は木の種類も分からなかった椛木さんだが、フォレストワーカー研修3年目の研修生になり、生活も心身も林業の暮らしに慣れてきたという。「やっと山が好きになってきて、今は楽しいなって思えます。」さらに「フォレストサービスは若い人が多く、和気あいあいと仕事ができています。しかも自分のやりたいことをやらせてもらえるのでやりがいもあります。」と明るく話してくれた。

 ガソリンスタンド勤めから心機一転、自らの故郷に腰を据え、林業を生涯の仕事と心に決め目標を定めながら挑む椛木さん。「東京の賃金に比べたらこっちは低いですが、東京では夜中に働くなど時間的に不規則な生活をしていました。でも林業の生活は規則的だからプライベートな時間がしっかり確保される。東京で暮らしていた時よりは遥かに充実しています。」岩手に帰郷し結婚して長女も授かった。家族の「お帰りなさい!」が何よりの支えだと微笑んだ。

若い仲間が多く、毎日の仕事が楽しいと語る椛木さん(右)。左は同僚の長山さん。
若い仲間が多く、毎日の仕事が楽しいと語る椛木さん(右)。左は同僚の長山さん。

長山大さん

長山大さん

所属
フォレストサービス
家族
祖父母・両親・兄弟(兄・弟・妹)
趣味
4WDでのドライブ
資格
自動車(普通) 普通救命 刈払機 伐木造材 玉掛け 車両系建設機械 小型移動式クレーン 不整地運搬車 林内作業車 はい作業従事者 機械集材装置

きっかけは農業高校の授業。しかし、実践は想像とは違う。

 「昔から山の仕事っていいなぁって思っていて、農業高校の授業で林業に興味を持ちました。地元(岩手)には森林資源が豊富なのに林業に就く人が少ないことが気になり、自然を守っていきたいと考え始めたのがきっかけです。」と林業に就職したきっかけを静かに話しはじめた長山さんはフォレストワーカー研修2年目になる。

 農業高校時代に林業の授業で経験している事もあり、すぐに仕事にもついていけると思っていたが、実際に仕事としての林業はそんなに簡単なものではなかった。現場は斜面がほとんど、地面も木の根っこなどでデコボコ状態。そんな中で下草刈や伐倒作業をするので授業で教わった理論は役に立たない。「学校で教わったこと、それは入り口程度でした(苦笑)。フォレストサービスで仕事を始め、「緑の雇用」研修を受けたことで、仕事としての林業をゼロから勉強し直しました。」と話す。さらに「この制度のおかげで、同年代で頑張っている他社の人たちとも技術の意見交換をしたり、仕事をしながら林業に必要な資格が取れるので役立っています。」と言う。長山さんは研修で技術を習得するだけでなく、林業の次代を担う仲間作りも積極的に行っている。
 
 1年目は仕事を覚えるだけで精一杯だったと言う長山さんだが、「2年目頃から、集合研修が終わり仕事に戻ると、今までできなかったことが嘘のように簡単に出来たりするようになりました。現場と座学を同時に行うことで身体が覚えやすくなっている気がします。」と現在の心境を語った。

作業を終え、仲間がそれぞれの現場から戻ってきた。各々情報交換を行なう時間だ。
作業を終え、仲間がそれぞれの現場から戻ってきた。各々情報交換を行なう時間だ。

林業の1日、それは木々と語らうと同時に、常に安全を意識する時間。

 「僕の場合、6時半ごろ起床し、8時前に事務所に出社します。機材を積み込んで当日の作業現場に移動、現場は8時半から開始します。3~4名で1チーム。作業者が2~3人で、チーム長が1人。そのチーム長が作業をコントロールします。」 現場では木を倒す前に足場を作ることから始まる。倒す木の周辺は、草や雑木などが生い茂っているので草刈り機やチェーンソーを使って取り除く。そのあと伐倒作業に入る。
 「伐倒は基本一人で作業するので、倒す方向や周囲に人がいないかを注意し警笛を鳴らし確認の上作業します。」というのが基本中の基本だ。伐倒は言うまでもなく危険を伴う。だからこそ、装備や機器の点検、周囲への配慮など安全の上に安全を重ねる事で事故を未然に防ぐのもプロとしての仕事なのだ。

 「夏場は水分不足になるので、こまめに給水しています。昼休みは1時間。食事後は仮眠したりしています。」季節により自然条件も厳しくなる。しかし、安全にそして着実に仕事をこなす体調管理も日々の仕事の中で大切な業務なのだ。 伐倒・造材・集材・運搬等の作業を行い、17時ごろ事務所に戻るように作業を終えると言う。事務所に戻るとその日の作業報告書作成を行い、翌日の作業ミーティング。18時ごろには終了して帰宅の途に。年間を通じほぼ同じスケジュールで仕事をしていると言う。

安全性と機能性を兼備えたワークウエアは意外にもファッショナブルだ。
安全性と機能性を兼備えたワークウエアは意外にもファッショナブルだ。

林業の醍醐味は小さな感動と日々出会える事。その心地よさがクセになる。

 「あるときに急にバシっと切れるポイントが分かったり、思い通りの方向に伐倒できたりします。林業は経験を積むと小さな感動が日々体感できる、それがひとつの醍醐味です。」と長山さん。木を倒すと大地が揺れる、その感覚は木を切った人しか分からないほど心地良いと語る。
 実際に長山さんに伐倒していただく。ポイントにチェーンソーを入れ5分も経たずに直径40cm程のアカマツがスローモーションのように倒れていく。着地した瞬間、大地が揺れる。その揺れが足元から心臓に伝わってくる初めて経験する波動に「感動」するひとも少なくないだろう。

 さらに重機の操作で上手く取り回しできたときも気持ちが良いと話す。「自然の山々に植わっている樹木を相手にする林業。ひとつとして同じ条件はありません。林業の仕事は、一期一会、常に新鮮です。」と微笑む。

 「これからの僕の目標は、昨年同年代の後輩が入ってきたので、彼らにしっかりと自分の学んだ技術や知識を伝承していくこと。そして、僕自身も覚えなければいけないことが数多くあるので、慢心せず日々鍛錬しながら林業に取り組んでいきたいと考えています。」と語る長山さん。

ただ単に切るだけではない。倒す方向と周囲の安全を確認して作業を行う。
ただ単に切るだけではない。倒す方向と周囲の安全を確認して作業を行う。